1997 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系脱髄疾患に対する遺伝子組み換え細胞の移植による機能回復
Project/Area Number |
09671434
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
上出 廷治 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (90160184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90285007)
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Keywords | transplantation / CNS / gene / demyelination / transporter |
Research Abstract |
Human myelin forming cell(Schwann cell and olfactory ensheething cell)を免疫抑制下(cyclosporin A;10mg/kg/day,i.p.)のラット脱髄モデル(EB-X)へ移植し、組織学的解析を行った。光学顕微鏡および電子顕微鏡により、移植したヒト細胞がラット脱髄巣において新たな髄鞘を再形成していることを確認した。このことより、ヒトの細胞においても、移植後ホスト体内で生着・増殖・分化し機能的な髄鞘を形成する能力を持っていることが確認された。 Cultured myelin forming cellにレトロウイルスをベクターとしてtemperature-sensitive SV 40 large T antigen oncogeneを導入した。遺伝子導入細胞の選別と遺伝子導入の確認をimmunocytochemistryで確認した。現在、不死化の状態確認と、in vitro and in vivoでのmyelin forming potentialを検証中である。 MHC(主要組織適合抗原)class I knockout mouseとMHC class II knockout mouseのSciatic nerveからSchwann cellを抽出・培養し、ラット脱髄モデルへ移植して中枢神経系における移植免疫(拒絶反応)について検討した結果、MHC class IIが移植後の拒否反応に大きく関与することが判明した。マウス細胞は免疫抑制されていないラット中枢神経系内では生着できないが、MHC class II antigeneが発現していない細胞は生着・増殖・分化が可能であり、新たな髄鞘の形成を確認した。現在、MHC class I and II knockout mouseをホストとした場合の移植後免疫応答を検証中である。 以上のように、補助金は補助条件に従って非常に有効に使用されている。
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