1998 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマの浸潤性増殖のメカニズムの解明とその克服に関する研究
Project/Area Number |
09671451
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
長島 正 帝京大学, 医学部, 教授 (70217991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 峰子 帝京大学, 医学部, 講師 (90229972)
松野 彰 帝京大学, 医学部, 助教授 (00242058)
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Keywords | グリオーマ / 浸潤能 / N-カドヘリン / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
グリオーマの浸潤にN-カドヘリンの発現がどのように関与するかを明らかにし、脳腫瘍の浸潤能をあらかじめ評価して治療に役立てることを目的に研究をすすめてきた。近年、ヒトN-カドへリンに対する抗体が開発され入手が可能となったため、当初のN-カドヘリンmRNAアンチセンスを導入してN-カドヘリンの発現を抑制したin vitroおよび腫瘍モデルを用いたin vivoでの浸潤能の実験的評価を行う予定を変更して、実際のヒトグリオーマ組織におけるN-カドヘリンの発現パターンと浸潤能の相関について検討を開始した。 すでに胃癌においてE-カドヘリンの発現パターンに3種が存在し、これが胃癌の取扱い規約からみた各腫瘍の浸潤能に相関することが明らかにされている。今回、ヒトN-カドヘリン抗体を用いた免疫組織化学で悪性グリオーマにおけるN-カドヘリンの腫瘍組織内での発現をみたところ、腫瘍内にN-カドヘリンの発現の全くみられないパターンと、発現のみられる細胞と発現の見られない細胞が腫瘍内で種々の程度に混在するパターンが認められた。N-カドヘリンの発現のみられない細胞が母集団から離脱しやすいと推定されることから、この結果はN-カドヘリンの腫瘍内の発現パターンはグリオーマの浸潤能の評価に利用できるものと考えられ、現在各腫瘍の臨床上の浸潤能についての評価を継続中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Matsuno A et al: "An improved ultrastructural double-Staining method for rat growth hormone and its mRNA using White resin." Histochemical Journal. 30. 105-109 (1998)
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[Publications] Matsuno A et al: "Application of ultrastructural in site hybridization combined with immurohistochemistry to pothophysiological Studies." Acta Histochem.Cytochem.31. 259-265 (1998)
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[Publications] 村上峰子他: "粟粒結核に続発した頭蓋内結核腫の1例" 脳神経外科 ジャーナル. 7. 235-239 (1998)
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[Publications] 村上峰子他: "脳腫瘍の頭痛" 診断と治療. 86. 905-908 (1998)
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[Publications] 鳥海 正明 他: "急速な視力低下を契機に診断された巨大な壊死下垂体腺腫の一例" ACTH RELATED PEPTIDES. 9. 253-260 (1998)
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[Publications] Tanaka S et al: "In vitro Inhibition of binding of turnor necrosis factor[TNF]-2α by monoclonal antibody to TNF receptor on glioma cell and monocyte." Neurologia medico-chirurgica. 38. 812-818 (1998)
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[Publications] 長島正他(分担): "Annual Reviw 神経 1998" 中外医学者, 324 (1998)
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[Publications] 長島正(分担): "前頭葉・頭頂葉[機能・解剖・手術]" メジカル ビュー社, 200 (1998)