1998 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄虚血性疾患の解明と治療に向けて。虚血モデルとグリア細胞の遺伝子発現
Project/Area Number |
09671457
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
赤井 文治 近畿大学, 医学部, 講師 (40122006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 升三 近畿大学, 医学部, 講師 (40208187)
種子田 護 近畿大学, 医学部, 教授 (10236713)
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Keywords | 脊髄虚血 / アポトーシス / DDC / SHR |
Research Abstract |
1) 高血圧自然発症ラット(SHRSP)において、若齢ラット(6-10週齢)と老齢ラット(16-20週齢)での実験群間に椎骨動脈片側閉塞による著しい差が認められた。老齢ラットでは左推骨動脈の閉塞で高率に延髄・上位頸髄の梗塞をきたし予後が1週間であったのに対し、老齢ラット右推骨動脈では全く病変を認めなかった。若齢ラットでは左右何れの椎骨動脈閉塞でも病変を認めず非閉塞群と予後の優位さは認められず、高血圧持続かにおける椎骨動脈の左優位が示唆された。 2) DDC投与、細胞内ラジカルに起因する神経細胞死ではその機構に関し一定の成果が得られ、一つの結論がえられた。すなわちDDC投与により細胞内H_2O_2は減少し、Cu/Zn-SOD活性は有意に低下し、更に低酸素培養によってDDC投与による神経細胞のアポトーシスは阻害された。さらにNOS阻害剤、鉄キレート剤では変化せず、NGFで細胞死が抑制されたことより、このアポトーシスは酸素ラジカルからの直接のシグナルにより誘導されると考えられた。また、このDDC誘導アポトーシスは、こう酸化剤(グルタチオン前駆体であるN-acetyl-cystein(NAC)により完全に阻害された。しかもNACの抗酸化作用をそがいするbuthionine sulfoximine(BSO)の投与にてもNACの細胞保護効果は変わらなかった。 NF-kBは活性化されず、NACの阻害効果の機序としては酸素ラジカルの消去、あるいはNF-kBの活性化ではなく、酸素ラジカルからのアポトーシスシグナルの一部を阻害しているものと結論した。
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