1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671462
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 光彦 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10179533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯坂 英雄 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40002141)
|
Keywords | 脳卒中片麻痺患者 / R-R間隔 / スペクトル解析 / 重心動揺 |
Research Abstract |
高齢脳卒中片麻痺患者9名を対象に座位及び歩行を行い、歩行中の姿勢変化と心電図R-R間隔のスペクトル解析の周期成分の変動について検討した。対象者の平均年齢70±6歳、男性4名、女性5名である。座位安静後、歩行補助具を用いて軽度疲労を訴えるまで歩行を行い、その後座位安静を保った。歩行中の姿勢変化は麻痺側上肢の屈曲角度増加(10-20゚)が3名にみられ、足部の遊脚期の内反角度の増加が2名にみられた。心電図R-R間隔のスペクトル解析は、歩行開始前の安静座位5分間の後半の60心拍、歩行終了直前の60心拍、終了時座位60心拍について、最大エントロピー法を用いてラグ値20て解析を行い、0.04-0.15Hzの低周波成分(LF)と0.15-0.4Hzの高周波成分(HF)のパワー密度を算出し積分値を求め、低周波と高周波の比(L/Hratio)とHF成分について比較検討した。歩行開始前のL/H ratioは945.5±490.5(平均±標準誤差)、HF成分147.1±97.1、歩行中のL/H ratioは313.5±83.8、HF成分79.9±42.9、終了時座位ではL/H ratioは309.3±107.6、HF成分146.7±72であり、各群においてL/H ratio、HF成分の有意な変化は認められなかった。 脳卒中片麻痺患者16名(平均年齢60±9歳)、うち監視歩行6名、自立歩行10名を対象に頸部、体幹、骨盤の回旋による立位での重心動揺の変化について検討した。10秒間の重心動揺距離は回旋に伴い、自立歩行群(健側回旋23.6±8.4cm、患側回旋21.2±5.8cm)より監視歩行群(健側回旋37.1±18.2cm、患側回旋39.8±21.5cm)が有意に大きいが、患側方向の回旋と健側方向の回旋においては有意な差が認められなかった。
|