1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671462
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 光彦 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10179533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯坂 英雄 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40002141)
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Keywords | 脳卒中片麻痺 / 杖歩行 / 痙性 / 呼吸法 |
Research Abstract |
1.脳卒中片麻痺患者でT字杖歩行可能な5名(平均年齢68±10歳)を対象に杖の長さが歩行に及ぼす影響について検討した。杖の長さは床から大転子までの高さとその高さの±4cmの3つの長さを用いた。対象者は長さ10m、幅0.9mの固定したロール紙の上を歩行し、床マーキング法とビデオ解析法により、T字杖の長さ変化に対する足部、杖の接地場所と非麻痺側遊脚中期における床面と両肩峰を結ぶ線となす角を求めた。結果は杖が長さと杖と足部の移動距離及び間隔には有意差は認められなかったが、杖の長さが長くなるにつれ、床面と両肩峰を結ぶ線となす角は平均5°、11°、15°と有意に大きくなり、健側の肩の挙上もしくは体幹の側屈が認められた。杖の長さを変えても杖の接地場所、足部の位置に変化が認められないことより、脳卒中片麻痺患者の歩行パターンにおいては、定型的になることが示唆された。 2.脳卒中片麻痺患者の座位から立位時の痙性による肘の筋緊張が深呼吸法により変化するかを検討した。対象者は立位保持可能で立位時に肘が屈曲してくる片麻痺患者9名(平均年齢64±15歳)とした。対象者は安静座位の姿勢から、立位までの立ち上がり動作を行う方法と安静座位で深呼吸を行い、呼気に合わせて立位動作になる2種類の立ち上がり方法を行った。肘関節角度はデジタルカメラの映像から測定した。9名の深呼吸を行わない立位時の肘屈曲角は56.1±27.8°であり、深呼吸を行った場合、9名中5名が肘屈曲角7±2.4°減少した。呼吸方法により副交感神経活動が高まり、痙性による筋緊張が減少したと考えられる。脳卒中片麻痺患者の動作に深呼吸を加えると筋緊張が変化する場合があることが示された。
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