1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671475
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松原 正明 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20251506)
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Keywords | b-FGF / 骨欠損 / 骨欠損充填材 |
Research Abstract |
骨欠損に対する骨充填剤として各種人工材料を作製し、b-FGFを添加剤として用いて骨欠損の充填剤としての良否を検討した。用いた骨充填材料としては1.ハイドロキシアパタイト(気孔率30%、気孔径平均100ミクロン、以下HA)、2.ハイドロキシアパタイト-TCP複合体(以下HA-TCP)、3.ハイドロキシアパタイト-キチン複合体(以下CMキチン)4.金属タンタリウム(気孔率50%、気孔径平均100ミクロン、以下Ta)である。これらの材料で直径3mm前後の円柱を作製し、日本白色家兎体重2.5kgの脛骨に埋入した。この際コントロールとして脛骨に直径3mmの骨開孔部をもうけ骨欠損部の充填経過につき他の材料と埋入後3週、4週にて比較した。さらに、同様の材料にそれぞれ100μg/mlの濃度のb-FGF水溶液を真空ポンプを用いて材料内に脱泡吸引させた試料を同様に家兎脛骨内に埋入した。骨形成の程度については、HA-TCP>HA>Ta>CMキチンの順であり、これはb-FGFの存在の有無に関わらなかった。また、いずれの試料においても埋入後4週ではある程度の骨形成が試料内にまで進入しているのが観察されたが、3週ではHA-TCP以外ではこれは見られなかった。次いで、b-FGFを添加させた試料について観察したが、骨の試料内への進入の程度はb-FGFを添加しない場合と差は見られなかった。しかしながら、b-FGFを添加した試料では試料の外側で旺盛な軟骨性仮骨が観察された。このことより、家兎においては皮質骨内での骨形成はb-FGFの添加の有無にはそれほど影響されないが、臨床的には試料の外側での旺盛な軟骨性仮骨は十分に骨充填に有効であると考えられた。また、今回の実験では、ハイドロキシアパタイト-TCP複合体-b-FGF添加試料が骨欠損に対し、最も有効であると考えられた。
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