1997 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチの病態形成におけるFas-Fasリガンドを介したアポトーシスの意義-分子生物学的解析と臨床応用への可能性-
Project/Area Number |
09671492
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林田 賢治 大阪大学, 医学部, 助手 (50273686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 哲也 大阪大学, 医学部, 助手 (30283766)
長田 重一 大阪大学, 医学部, 教授 (70114428)
越智 隆弘 大阪大学, 医学部, 教授 (80112035)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 変形型膝関節症 / 滑膜細胞 / アポトーシス / Fas / Fasリガンド / 可溶型Fasリガンド / プロテアーゼ |
Research Abstract |
サンドイッチELISA法により定量したところ、慢性関節リウマチ(RA)患者の罹患関節では高濃度の可溶型Fasリガンド(sFasL)が認められたが、対照として用いた変形性膝関節症(OA)患者の関節中には低濃度のsFasLしか認められなかった。FasLのmRNAレベルでの発現は、RAおよびOAの末梢血中単核球には認められず、RA関節内の単核球のみに限られていた。この結果は、RA罹患関節内には多数の細胞障害性T細胞やNK細胞が浸潤し炎症局所において活性化されFasLが誘導されているのが、細胞表面上の膜型FasLはRA患者の関節内に高濃度に存在するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)様の蛋白分解酵素により可溶型FasLに転換されていると考えられる。 またRA罹患関節局所では、異常増殖する滑膜細胞にアポトーシスが起こり、この現象は生体の恒常性を保とうとする機構の一つと考えられているが、RA患者の関節内に蓄積された高濃度のsFasLは、膜型FasLのアポトーシス誘導能を抑制するため、その生理的な機構を阻害し滑膜細胞の増殖を助長しているものと考えられた。 また、我々が作成したマウスsFasL(WX1)は培養滑膜細胞に強いアポトーシス誘導能を持つことから、Fas/FasLを介したアポトーシスを利用し滑膜増殖を抑制する治療を考慮する際には有効なタンパク質であると考えられた。
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