1997 Fiscal Year Annual Research Report
冷凍保存、抗接着分子抗体を用いた同種複合組織移植における免疫学的寛容について
Project/Area Number |
09671506
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
薄井 正道 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (90002328)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 貴文 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60192217)
|
Keywords | 同種肢移植 / 接着分子 / CTLA4-IgG / ADEX-CTLA4-IgG / CD40 |
Research Abstract |
研究目的は「接着分子阻害における免疫寛容導入に関する実験で,B7/CD28のpathwayを阻害することにより,血管柄付き同種関節移植の拒絶反応が遅延するか,また免疫寛容は得られるかを検証する」ことにある. われわれは以下の3種類の実験を施行した. 1,B7/CD28のpathwayを阻害するCTLA4-IgGを大量精製することに成功した.同種関節移植の前段階として同種皮膚移植に対して,CTLA4-IgG投与による拒絶反応抑制効果を検討したが,同種皮膚移植においてはその効果は認められなかった.同種関節移植に対する効果についても,まだはっきりした拒絶反応抑制効果は認められていない.現在免疫抑制剤(FK506etc)との併用効果について検討中である. 2,CTLA4-IgGを産生する不活化ウイルスであるADEX-CTLA4-IgGを開発した.ADEX投与ラットにおいては高濃度においてCTLA4-IgGの発現が認められた.しかし,このラットにおける同種関節移植の拒絶反応抑制現象についてはまだ未検討であり今後の結果が待たれる. 3,B7の発現に寄与するとされるCD40に対するCD40ligandの浮遊蛋白を精製中である.CD40ligandの浮遊蛋白を投与することによってB7の発現を抑制し,ひいてはB7/CD28のpathwayを抑制することが期待される.これはまだ動物実験には至っていない.
|