1997 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症の神経生理学的病態の解明と薬物療法の開発
Project/Area Number |
09671509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
斎藤 知行 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30170517)
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Keywords | 変形性膝関節症 / 滑膜 / 神経支配 / 神経原性関節症 / 動物モデル |
Research Abstract |
1)変形性膝関節症滑膜組織所見と浸潤細胞のcharacterizationについて 内側型変形性膝関節症患者より術前同意のもとに高位脛骨骨切り術術中に膝関節内側、外側、膝蓋上窩の異なる3部位から滑膜を採取を採取した。これまでに採取した滑膜標本数は14例(女11、男3)より42標本で、採取後直ちにOCT compoundに包理し凍結した。また手術時に滑膜の性状や大腿骨内側顆関節面の関節軟骨表面の変性の程度など肉眼所見を記録した。さらに関節液を注射器にて吸引採取し、コンンドロイチン硫酸異性体(C6S,C4S)とヒアルロン酸の濃度を高速液体クロマトグラフティーとElson-Morgan法により測定した。変形性膝関節症滑膜は内側は外側に比し肥厚し、膝蓋上窩は柔らかく、その表面は内側と膝蓋上窩滑膜は充血し赤褐色で絨毛形成を認め、その部位により性状が異なっていた。H.E.染色の組織所見は内側滑膜では表層細胞層の絨毛形成と表層下組織間質の浮腫の伴う粗造化と新生血管の増生、中等度の炎症細胞浸潤が特徴的であり、外側では比較的正常に近い組織像を呈するものが多かった。今後、表層下組織内に浸潤する細胞の質的評価を細胞表面抗原に対する抗体を用いてABC法により免疫組織化学染色により行う。 2)変形性膝関節症動物モデルを用いた関節変性過程におよぼす神経系の影響 3羽の日本白色家兎の膝関節の詳細な解剖を行い神経支配を調査した。その結果、膝関節のは神経支配は主として大腿内側を走行する神経が膝蓋骨上縁で3本の神経に分枝し、1つは膝関節前方部に、また他の1つは内側広筋を貫通して膝関節後方部に分布して、坐骨神経は膝関節周辺の筋に分布していた。内側半月板切除による家兎モデルでは処置後3週より関節軟骨の配列の乱れを示した。以上より、左膝は半月板部分切除後に大腿骨内側神経の切除を追加し、右膝は半月板切除のみ行い、処置後3、6、9週で屠殺し、左右を組織学的に比較検討する。
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