1998 Fiscal Year Annual Research Report
膝半月の修復と再生について-臨床および実験的研究-
Project/Area Number |
09671516
|
Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
立花 陽明 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50188265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日向野 雅典 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50286085)
|
Keywords | 膝 / 半月 / MRI |
Research Abstract |
研究1:切除半月のMR信号強度と組織学的所見 【目的】切除半月の定量的なMR信号強度と組織所見を比較検討し,MR信号強度によって半月の変性の程度を推測できるか明らかにする。【材料・方法】術前にMRIを施行した半月切除片を材料とした。断裂片のMR信号強度は,膝蓋下脂肪体の信号強度に対するcontrast-to-noise ratio(CNR)として算出した。【結果】半月のCNRと組織stageの間に相関はみられず,むしろ,CNRが高くなるにつれて組織stageは増加した。【考察】半月のMR信号強度と組織所見に関連はみられなかったが,組織学的評価は定性的で,標本の多くがstage2〜3の狭い範囲に分布しており,今回使用した評価法では変性の程度を十分判別できなかった可能性がある。 研究2:家兎半月無血行野断裂における修復促進 【目的】家兎膝半月の無血行野断裂に対し,自家筋膜,遊離滑臆およびfibrin clotで被覆することにより,断裂部の修復が可能か否か検討する。【材料・方法】内側半月を全幅1/2の部位で3mm縦切開した後に縫合し,自家筋膜(A群)・滑膜(B群)で断裂部表面を覆う,fibrin clot(C群)を脛骨側に挿入する3群を作成した。術後4,6,8週で屠殺し,修復の程度を比較検討した。【結果】肉眼的には,C群は術後8週で治癒しておらず,A・B群は移植片に覆われ観察不能であった。組織学的には各群とも断裂部の修復はみられなかった。しかし,A・B群では周辺滑膜が移随片内に侵入し,A群の一部では経過とともに周辺滑膜の侵入が内方に移行したが,移植片と半月表面が接着することはなかった。【考察】筋膜には周辺滑膜を誘導する働きがみられ,移植方法を改良することによって修復を促進できる可能性がある。
|