1997 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血および再環流がpenumbraの組織代謝に与える影響の実験的検討
Project/Area Number |
09671542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
上木 雅人 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70168615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 俊彦 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (80129832)
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Keywords | 脳虚血 / 代謝 / pH / panumbra |
Research Abstract |
今年度の研究によって得られた新たな知見 本研究の目的は脳梗塞急性期の脳組織のエネルギー代謝をコハク酸脱水素酸素、局所脳組織pHなど複数のパラメーターを解析することである。 本年は局所pHの検討に必要な機器の整備と、従来からの脳の20ミクロンの切片を用いた脳局所pHの画像化と、脳の2mmスライスに直接蛍光物質umbelliferonを反応させて画像化したデータの比較を行った。 脳の局所pHの画像化は脳組織-20℃で20μ厚に薄切りし、この切片をumbelliferonに浸透させた濾紙上に置き、0℃下に、340、370nmの紫外線を当てて、発色させる。局所を安定して低温に保てる冷蔵装置と必要な各種フィルターを購入した。 これらの機器を1m四方の暗室の中で組み立てて、スナネズミの一側総頚動脈をクランプして脳虚血を作成した脳でpHの画像化を行った。虚血領域のpHは健側に比べて有意に低下していた。 pHデータのコハク酸脱水素活性量の対応、比較を行うためには、2mm厚脳前頭断標本でpHが測定できることが望ましい。そこで2mm圧の脳切片にumbelliferonを懸濁させたプロムベンゼン溶液を浸透させ、pH画像化の可能性について検討した。2mm厚脳スライスにummbelliferon含有エタノールを反応させたところ、虚血領域pHは健側よりも低下していた。定性的には満足の行く画像が得られたが、従来の20ミクロン切片で行ったpH画像との比較では、定量的には一致せず、現在実験条件を変えて検討している最中である。
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