1997 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素負荷時の細胞質中およびミトコンドリア中のカルシウム含量の変化
Project/Area Number |
09671548
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
増田 達 富山医科薬科大学, 医学部・麻酔科学, 助手 (20173750)
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Keywords | 低酸素 / カルシウム / 共焦点レーザー顕微鏡 / 活性酸素 / カルシウムグリーン / DCFH |
Research Abstract |
低酸素傷害における、細胞内カルシウムイオンの寄与と、活性酸素などによる細胞内の酸化状態を調べるため、ラットの脳のスライスを用い、蛍光プローブと共焦点レーザー顕微鏡を組み合わせて観察した。以前に、培養細胞と蛍光プローブfluo3の組み合わせで細胞内カルシウムの変動を調べる実験をしたが、スライスの場合はfluo3の取込みが良くなかったので、カルシウムグリーンを代わりに用いた。また、細胞内の酸化状態を調べる実験にはdichlorofluorescein diacetate(DCFH-DA)を用いた。スライスは、冷やしたPhosphate buffered saline(PBS)中で、マイクロスライサ-を用いて400mumの厚みの切片にし、95%O2-5%CO2バブルの31℃のHanks'balanced salt solution(HBSS)に1時間浸し、組織の機能回復を待った。しかる後、蛍光プローブカルシウムグリーンの2.5muMを37℃で1時間incubateし、細胞内に取り込ませた。一方、酸化状態を調べるには5muM DCFH-DAを10分間ロードした。低酸素負荷は、95%N2-5%CO2のガスでバブルした人工脊髄液に置き換えることによって開始し、共焦点レーザー顕微鏡ACAS570を用い各々、励起波長488nm蛍光波長530nm(カルシウムグリーン)、励起波長513nm蛍光波長535nm(DCFH)で観察し記録した。その結果、低酸素のメディウムに交換すると、5分後位に細胞内のカルシウム濃度は上昇し、1分間隔で測定すると、その状態は10分後も維持された。また、正常メディウムに戻した後も、カルシウムの上昇は維持された。また、細胞内酸化状態も速やかに変化し、活性酸素の発生を示唆するものだったが、こちらは低酸素負荷中に発色が低下してきたが、酸化状態は意外に短い時間なのか、あるいは、蛍光プローブ自身の退色の可能性も考えられる。
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Research Products
(1 results)