1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671550
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
櫛田 康彦 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (50205077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 正樹 金沢大学, 医学部, 助手 (70272961)
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Keywords | 知覚過敏モデル / アドリアマイシン / 熱刺激試験 |
Research Abstract |
(1): 知覚過敏状態モデルの作成:ラットを用い,一方の坐骨神経を半結紮して,1週間ごとに1ヵ月間,熱刺激鎮痛効果測定装置により観察した.熱刺激から,逃避反応を生じるまでの時間は,半結紮側のほうが非結紮側よりも短縮した.また半結紮の効果は,1週間目より現われて,1ヵ月間続いた. (2): Adriamycin(以下ADM)の知覚過敏状態への効果:(1)の実験結果をもとに,ラットの両側の坐骨神経を半結紮して,左側に生理食塩5μlを注入した群および左側にADM5μgを5μl含有した同量の生理食塩水を神経内に注入した群の2群を比較した.熱刺激から,逃避反応を生じるまでの時間は,非注入側と比較して,ADM群は有意に延長したが,生食群は差がなかった.すなわち,ADM注入は坐骨神経半結紮による知覚過敏を軽減させると考察する。ただし,ADM群で,足底部に潰瘍を生じるラットが半数以上出現し,dysesthesiaが生じている可能性がある. (3): ADM注入による長期間の効果:ADM注入後,1年間観察した結果,足底筋が完全に麻痺したままのラットが出現した.生食注入群では認められなかった.脊髄後角・後根領域の障害を疑わせるが,光顕所見では明らかな異常所見はなかった.
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