1997 Fiscal Year Annual Research Report
NMDA拮抗薬,α_2作動薬による脳・脊髄微小血管反応のウィンド-法を用いた検討
Project/Area Number |
09671555
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
飯田 宏樹 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (30159561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 修司 岐阜大学, 医学部, 教授 (40155627)
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Keywords | NMDA拮抗薬 / α_2作動薬 / 脳・脊髄循環 / 微小循環 |
Research Abstract |
NMDA拮抗薬(ケタミン)の全身投与および局所(window内)においての脳血管の反応性に関して検討を行った。ケタミンは,脳保護作用を期待されているが,一般に脳血流増加・脳圧亢進作用を有するといわれており,脳神経外科領域での使用が疑問視されている。しかし,静脈麻酔(ネンブタール),吸入麻酔薬(イソフルレン)による全身麻酔・調節呼吸下では脳血管拡張作用は示さず,従来の報告とは異なることが判明した。このことは,ケタミンの脳神経外科領域へ使用の可能性を示唆するものと思われる。 また,α2作動薬の脳・脊髄血管への直接作用および脊髄くも膜下腔への投与の際の脳血管の反応性について検討した。α2作動薬(デキサメデトミジン)は,脳・脊髄血管共に用量依存性に血管収縮を起こすが,その程度は脳血管でより明らかであり,他のアドレナリン受容体作動薬(エピネフリン,フェニレフリン)に比較して,脊髄血管では程度は弱いことが判明した。このことは,くも膜下投与された場合の脊髄血管への安全性に関しては従来局所麻酔薬の添加物として使用されているエピネフリン,フェニレフリンに比べて影響が少なくより安全であることを示唆するものと思われる。更に,α2作動薬(デキサメデトミジン)の脊髄くも膜下腔への投与の際の高炭酸ガス血症および低酸素血症に対する脳血管の反応性を検討した。デキサメデトミジンの脊髄くも膜下腔投与によって炭酸ガスへの反応性(脳血管拡張)は減少し,この脳血管反応の抑制はヨヒンビン(α2拮抗薬)で拮抗されることから,炭酸ガス負荷に伴う脳血管拡張の抑制はα2レセプタを介するものであることが判明した。更に,低酸素血症による脳血管拡張はデキサメデトミジンによって影響を受けないところから,脳血管拡張における高炭酸ガス血症および低酸素血症の機序が異なることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)