1997 Fiscal Year Annual Research Report
胎児型、成体型ニコチン性アセチルコリン受容体への筋弛緩薬の作用
Project/Area Number |
09671566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山田 泰枝 山口大学, 医学部, 助手 (00166737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
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Keywords | ニコチン性アセチルコリン受容体 / 神経筋接合部 / アセチルコリン / 筋弛緩薬 / サクシニルコリン / アフリカツメガエル / 合成RNA / 二電極膜電位固定法 |
Research Abstract |
1.胎児型と成体型ウシニコチン性アセチルコリン受容体をアフリカツメガエル卵母細胞に発現させアセチルコリン、サクシニルコリンを投与した際に生ずる電流応答を2電極膜電位固定法により測定した。 2.アセチルコリンとサクシニルコリンより誘発される電流は濃度依存性に上昇し(1-300μM)、そのKm値及びHill係数を比較したところ基質の違いによる差や胎児型、成体型による差はみられなかった。しかし、サクシニルコリンにおいて高濃度(1mM)で第二相遮断の原因と考えられる電流の減少がみられた。 3.アセチルコリンとサクシニルコリンより誘発される電流の減衰時定数を比較したところどちらも成体型の方が胎児型より有意に大きい値を示した。 4.アセチルコリンとサクシニルコリンよる受容体の脱感作からの回復の時定数は、サクシニルコリンでアセチルコリンに比べて有意に大きく、また成体型の回復の時定数が、胎児型よりサクシニルコリン、アセチルコリンとも有意に大きかった。また、低濃度のサクシニルコリンにおいても回復の時定数が大きいことからサクシニルコリンによる脱感作が第一相遮断に影響していることが示唆された。 6.サクシニルコリンによる筋弛緩作用は、サクシニルコリンがcholinesteraseによって分解される速度が遅く、再分極しない状態が続くためと考えられているが、今回の結果からサクシニルコリンがアセチルコリンより脱感作からの回復が遅いことも筋弛緩作用の第一相遮断の一因となっている考えられる。ε、γのサブユニットの差は、アセチルコリンとサクシニルコリンの結合力に対してよりも脱感作速度におよび脱感作からの回復速度に著明に現われた。
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