1998 Fiscal Year Annual Research Report
周術期および重症ショック時の末梢血単核球のサイトカインmRNA発現の定量的解析
Project/Area Number |
09671571
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷口 省吾 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (70179836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
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Keywords | サイトカイン / mRNA / 定量的解析 / 麻酔 / 外科手術 / IL-1α / IL-1β / TNF-α |
Research Abstract |
1. 目的:前年度の研究においては、手術侵襲時の末梢血単核球のサイトカイン・mRNA発現量の変化や麻酔法の影響についてある程度の傾向は認められたものの、症例数が少なかったことや条件を厳密に設定していなかったため、明確な変化をつかめなかった。今年度は症例数を増やし、発現量に影響する因子の中から、手術術式と硬膜外麻酔の影響を調べた。即ち、手術侵襲時のサイトカインの動態が、手術侵襲の程度や麻酔法の差異によりどのように変化するかを末梢血単核球のサイトカイン・mRNA発現量を測定して解析した。さらに、腹膜炎患者の末梢血単核球のサイトカイン・mRNA発現量についても調べた。 2. 方法 末梢血単核球よりサンプルmRNAを抽出して、内部コントロールとともにRT-PCRを行い、サンプル中の各サイトカイン(IL-1α、IL-1β、TNF-α)のmRNA発現量をコピー数として定量的に評価した。採血は執刀前、執刀後1時間、執刀後2時間の3点で行った。 3. 結果 (1) 開腹手術と腹腔鏡下胆嚢摘出術との比較 開腹手術群が腹腔鏡下胆嚢摘出術群より有意にIL-1β、TNF-αの発現量が多かった。 (2) 全身麻酔群と硬膜外麻酔併用全身麻酔群との比較 全身麻酔群が硬膜外麻酔併用全身麻酔群よりIL-1β、TNF-αの発現量が多かったが有意ではなかった。 (3) 腹膜炎患者での変化 腹膜炎患者ではIL-1β、TNF-αの発現量が多い傾向が見受けられた。 (4) 上の(1)〜(3)においていずれもIL-1αは発現がみられなかった。 4. 結論 手術侵襲時の末梢血単核球のサイトカイン・mRNA発現量は、手術侵襲の程度が大きい程増加する傾向にある。即ち、手術創の大きさや外傷の程度に有意に関係があるといえる。硬膜外麻酔は全身麻酔と比較して、サイトカイン・mRNAの発現量を抑える傾向にはあるが有意ではなかった
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