1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671572
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
十時 忠秀 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20038722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 正敏 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (90136482)
濱田 智子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30284657)
原野 清 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30038848)
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Keywords | 幻肢痛 / 神経因性疼痛 / アロディニア / 引き抜き症候群 / 神経伝達物質 / 神経ペプチド / 免疫組織化学 / ラット |
Research Abstract |
昨年度の研究結果より、本年は実験動物としてヘアレスラット(HWY/S1c,日本エスエルシー株式会社)を用いた。神経の切断方法としては、引き抜き切断を施行した。実験群を、前肢群(橈骨および尺骨神経を引き抜く)と後肢群(座骨神経を引き抜く)にわけ、皮膚の変化、触覚試験、ホットプレートテストを行った。皮膚の潰瘍は形成される個体とされない個体が観察されたが、形成される個体の方が多かった。潰瘍が形成される部位は、前肢群が肩甲部、後肢群が臀部であった。反対側に潰瘍が形成される個体も多く認められたが、両側には形成されなかった。触覚試験では、術後5カ月間観察したが、アロディニアを示す個体はなかった。この期間は知覚に関しては、鈍であった。しかし、術後5カ月目では触覚試験はやや鋭敏になる傾向を示した。ホットプレートテストでは、触覚試験とほぼ同様の傾向を示した。熱さに対する潜時は術後5カ月目で有意に短くなったが、アロディニアを示す結果は得られなかった。これらの結果から、術後5カ月目には神経の再生が進んでいると思われるが、protein gene product 9.5の免疫組織化学では再生した神経はごく少数しか認められなかった。観察された皮膚の神経は、再生したものか、血管に伴走していた神経が伸びたものかは不明である。さらに生存期間を延長し、観察する必要がある。術後5カ月目における脊髄および脊髄神経節における神経伝達物質および神経ペプチドはコントロールと著明な差は観察されなかった。
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