1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671572
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Research Institution | Saga Medical School |
Principal Investigator |
十時 忠秀 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20038722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 正敏 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (90136482)
濱田 智子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30284657)
原野 清 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30038848)
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Keywords | 幻肢痛 / 神経因性疼痛 / アロディニア / 引き抜き症候群 / 神経伝達物質 / 神経ペプチド / 免疫組織化学 / ラット |
Research Abstract |
実験動物として、SD系ラット(6週〜12ヶ月齢、雌雄)を用いた。正中神経・尺骨神経・橈骨神経を露出させた後、切断群は3ないし5mmそれぞれの神経を切り取った。引き抜き群は、より腋窩に近い部分で鉗子を用いて強く引っ張り、すべての神経を引き抜き切断した。観察は術後5ヶ月まで行った。本実験では正中神経および尺骨神経をBennettの方法(1986)に従い処置を行い絞扼性損傷モデル(CCI)とした。処置後2日、7日、30日、5ヶ月目に動物を深麻酔後、2%パラホルムアルデヒド溶液(0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4)で潅流固定を行った。脊髄、脊髄神経節、星状神経節を摘出後、同固定液で12時間浸漬固定(4℃)し、さらに20%サッカロース液(0.1Mリン酸緩衝液、pH7.4、4℃)にて保存した。これらの組織は神経内の生理活性物質検出を目的とした免疫組織化学および酵素組織化学に使用した。使用した抗体は神経ペプチド抗体として、サブスタンスP(SP)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、ニューロペプチドY(NPY)、ガラニン(Gal)、血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)、カルシウム結合蛋白抗体として、パルブアルブミン(Par)、カルレチニン(Car)、カルビンディン(Cab)、カルモデュリン(Cad)、ノルアドレナリン合成酵素抗体としてチロシン水酸化酵素に対する抗体をそれぞれ使用した。酵素組織化学としてnicotinamaide adenin dinucleotide phosphate ? diaphorase(NADPH-d)活性を検索した。CCIにおいて、組織学的に著明な変化は観察されなかった。切断および引き抜き切断群では処置後2日目からNPYが同側の脊髄神経節に出現し、処置後5ヶ月まで認められた。星状神経節では、切断群において処置後7日後にNADPH-d陽性細胞が少数観察されたが、引き抜き切断群では明瞭な陽性細胞は認められなかった。
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