1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子に対する高親和性受容体発現と神経因性疼痛発生との関係
Project/Area Number |
09671575
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
宇野 武司 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (70038842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小佐井 和子 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00234740)
西森 利数 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (20112211)
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Keywords | 神経成長因子 / TrkA / 神経因性疼痛 / γアミノ酪酸 |
Research Abstract |
我々は、ラット神経因性疼痛モデルを使った実験で神経栄養因子のひとつであるNGFが疼痛行動を改善することを観察した。そこで、同じモデルを用いNGFに対する高親和性受容体(TrkA)の発現を坐骨神経結紮部と後根神経節(第5,6腰椎レベル)で調べた。〔方法〕雄で生後5週以降のSprague-Dawleyを用い、ラット神経因性疼痛モデルを作製した。ペントバルビタール45m1g/kgを腹腔内投与した後、大腿中央部で大腿二頭筋を分け、右坐骨神経を露出し、周囲組織を丁寧に剥離し、3つに分枝する前のところを結紮した。結紮にはクロミック縫合糸を用い、1mm間隔で4カ所を血流が止まらない程度に緩く結紮した。結紮前、結紮後1,2,4週目に熱刺激と触刺激に対する侵害域値を測定し、神経因性疼痛モデルができていることを確認した。熱刺激に対する侵害域値は、UGO BASILE社製プランターテストを用い、触刺激に対する侵害域値は、Von Frey繊維を用いて測定した。疼痛行動を示した結紮後2週目のラットから右坐骨神経結紮部と後根神経節の摘出標本を作製した。ペントバルビタールで深麻酔し、血液を洗い流した後、4%パラホルムアルデヒドを還流して固定した。坐骨神経結紮部と後根神経節(第5,6腰椎レベル)を取り出し、神経走行に沿って厚さ10μmの凍結切片を10枚ずつ作製し、スライドガラスに貼付した。この標本に存在すると考えられるTrkAを免疫組織化学染色法で観察した。前処理した後、サンタクルス社製のTrkAに対するポリクロナール抗体(ウサギ)と反応させた。これをアジビン標識2次抗体(ヤギ)、ビオチン標識西洋ワサビペルオキシダーゼと反応させ、過酸化水素水とジアミノベンジディンで発色させた。脱水、透徹、封入した後、光学顕微鏡を用い、観察した。〔結果と考察〕今回の実験では、坐骨神経結紮部と後根神経節にTrkAを見いだせなかった。実際にはNGFの効果があるため坐骨神経からTrkAが消失したとは考え難く、この研究を進めるためには感度の高い抗体が必要である。 そこで、当該研究に関係すると思われる脊髄後角内の抑制性介在細胞のひとつであるγアミノ酩酸含有細胞に注目し、同じモデルを用いて研究を進めている段階である。
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