1998 Fiscal Year Annual Research Report
遅発性神経細胞死におけるSpreading depressionの役割
Project/Area Number |
09671584
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Research Institution | Kyorin University Department of Anesthesiology |
Principal Investigator |
飯島 毅彦 杏林大学, 医学部, 助手 (10193129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 勇 杏林大学, 医学部, 教授 (20186927)
塩川 芳昭 杏林大学, 医学部, 助教授 (20245450)
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 講師 (80135912)
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Keywords | Spreading depression / グルタミン酸 / アミノ酸 / 虚血 / 低血流 / 遅発性神経細胞死 / microdialysis / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
麻酔下のラットを用いて脳表の起こされたSpreading depressionによる細胞外液中のグルタミン酸濃度の変化を検討した。高速液体クロマトグラフィーを用いて、大脳皮質よりmicrodialysisにより得られたサンプルを分析した。実験条件は、脳血流量が正常な状況と、両側の総頚動脈結紮により血流量を低下させた状況を設定した。アミノ酸はアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、タウリン、GABAを測定した。その結果、SDの発生によってもいずれのアミノ酸の上昇はみられなかった。また、同様に血流を低下させた状況でもアミノ酸の上昇はみられなかった。しかしながら、血流量の低下が著しく、脳波がフラットになる様なAnoxic depolarizationの状況ではグルタミン酸、アスパラギン酸、タウリン、アラニンの有意な上昇がみられた。以上の結果より、トランスポータを介して細胞内外の輸送をおこなっているアミノ酸はSDのような一過性の脱分極では細胞外液濃度は上昇しないことが示された。また、細胞が脱分極し、回復しないような状況になりはじめてトランスポータを介するアミノ酸類は異常に上昇することが示された。虚血周辺部に発生する虚血性神経細胞死はグルタミン酸の上昇に伴う細胞内外のイオンバランスの崩れにより発生すると考えられているが、実際には虚血時にもその機能を発揮しているダリア細胞の活動が温存されており、神経細胞から放出されたグルタミン酸濃度の上昇は抑えられていると考えられる。したがって、虚血に伴うグルタミン酸の上昇は神経細胞障害の原因ではなく、結果である可能性が示唆された。
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[Publications] Iijima T.: "Spreading depression induces depletion of MAP2 in area CA3 of the hippocampus" Journal of Neurotrauma. 15(4). 277-284 (1998)
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[Publications] Iijima T.: "Relationship between glutamate release,bloodflow and spreading depression real-time monitaring using an electroenzymatic dialysis electracte" Neuro Science Research. 32. 201-207 (1998)
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[Publications] Iijima T.: "Amino acid release during spreading depression in a flow-compromised cortical area" Brain Research. 818(2). 553-555 (1999)
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[Publications] 飯島毅彦: "Spreading depressionと虚血性神経細胞死" Brain and Nerve. 50(1). 18-25 (1998)
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[Publications] 飯島毅彦: "虚血性神経細胞死の病態生理" 麻酔. 47(6). 662-667 (1998)
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[Publications] 飯島毅彦: "Spreading depressionによるグルタミン酸の放出-血流量との関連" 日本神経麻酔・集中治療研究会誌. (掲載予定).