1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経外科領域手術における血液希釈式自己血輸血施行の意義と安全性
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09671585
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小堀 正雄 昭和大学, 医学部, 講師 (80195833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信た 賢治 昭和大学, 医学部, 助手 (10296973)
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Keywords | 自己血輸血 / 低血圧麻酔 / ニトログリセリン / プロスタグランジンE1 / 脳圧 / 脳血流 / 脳組織酸素分圧 / 血液希釈 |
Research Abstract |
希釈式自己血輸血と低血圧麻酔をを併用すれば同種血回避に効果的である。希釈状態は代償作用として脳血流増加による脳圧亢進の可能性がある。今回、血液希釈状態を作製しニトログリセリン(TNG)、プロスタグランジンE1(PGE1)による低血圧麻酔を併用した時の循環・脳諸量に及ぼす影響について検討した。対象は雑種成犬を用い、TNG群とPGE1群に分けた。麻酔は60%亜酸化窒素イソフルランとし、平均動脈圧100mmHgに調節した。呼吸循環諸量測定のため各種カテーテルを挿入した。脳諸量測定のため内頸動脈に電磁血流計を装置した。その後、開頭して脳圧測定用カテーテル、脳血流は水素ガスクリアランス法で測定し電極を脳皮質に留置した。脳組織酸素分圧測定用電極を脳皮質部に挿入した。実験操作終了後、各種パラメータを測定し対照とした。そして、20ml/kgの自己血採血を行い同量の6% Dextran70で血液希釈状態を作製し血液希釈状態を測定した。次に、各群の低血圧麻酔薬で平均血圧が70mmHgとなるように調節し、低血圧状態を90分間維持した。その後低血圧麻酔客の投与を中止した。その結果、両群とも血液希釈により心拍出量、心収縮力、脳圧、脳血流量、内頸動脈血流は増加、体血管抵抗は減少、脳組織酸素分圧には変化がなかった。低血圧により対照に比べ、TNG群は内頸動脈血流増加、体血管抵抗、心収縮力、脳組織酸素分圧減少したが、心拍出量、脳圧、脳血流量には有意な変化は認められなかった。PGE1群は体血管抵抗、脳圧減少したが、心拍出量、心収縮力、脳血流量、内頸動脈血流、脳組織酸素分圧には有意な変化は認められなかった。両群間では心収縮力、脳組織酸素分圧がPGE1群では有意に高値を示した。結論として、血液希釈状態下の脳外科手術にプロスタグランジンE1は低血圧麻酔薬として有効であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kobori M.Negishi H.Nagai H.Kuno M: "Cerebrul responses to isoflurane induced hypotension and isovolemic hemodilution in isoflurane anesthetized dogs"体液・代謝管理. 15. 32-37 (1999)
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[Publications] Kobori M.Negishi H.Iyama K.Nagai H: "Cerebral responses to sevoflurane-induced hypotension and isovolemic hemodilution"体液・代謝管理. 15. 38-43 (1999)
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[Publications] Kobori M.Negishi H.Kuno M: "Cerebral responses to hyperventilation and isovolemic hemodilution"自己血輸血. 12. 234-238 (1999)
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[Publications] Kobori M.Negishi H.Iyama K: "Responses of systemic hemodynamic and cerebral variables following controlled hypotension under acute hemodilution"自己血輸血. 12. 239-246 (1999)