1997 Fiscal Year Annual Research Report
実験的蓚酸カルシウム結石形成に及ぼす性ホルモンの影響について
Project/Area Number |
09671599
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
八竹 直 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60028579)
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Keywords | 尿路結石症 / ラット / エストロゲン / シュウ酸カルシウム / エチレングリコール / 性ホルモン |
Research Abstract |
Wistar Rat雄、雌8週令使用 0.5%エチレングリコール水自由摂取 1α-OH D3隔日強制投与(0.25μg/100gBW)雄は最長5週間、雌は10週間まで飼育後屠殺し腎組織を観察した。雄では3週から尿中シュウ酸排泄量は増加して腎機能低下がおこり、結石原基と思われる石灰化が腎組織全体に多数出現するが、雌では10週においても腎機能は温存され、腎皮髄境界のみに無構造な物質が認められるのみだった。 同モデルにおいて、腎組織の染色性(Von Kossa染色、Pizzolato染色)の違いから雄ではシュウ酸カルシウムが優位であるのに対し、雌ではリン酸カルシウムのみ認められた。in vitroの実験系で結石成分により結石にとりこまれる酸性ムコ多糖が異なるとの報告があり、GAGに対する市販のモノクローナル抗体を用いて腎の免疫組織学的な検討を行った。抗コンドロイチン硫酸抗体、抗ヘパラン硫酸抗体を用いた染色でこの石灰化はコンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸を含んでいることが確認された。 雄の精巣摘除群あるいはエストロゲン投与群を、雌については卵巣摘除群、テストステロン投与群を設定し結石形成度を観察した。その結果、エストロゲン投与群において尿中シュウ酸排泄量は低下し、シュウ酸カルシウム結石形成が抑制され、エストロゲンがシュウ酸代謝に関連していることが示唆された。
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