1997 Fiscal Year Annual Research Report
尿路閉鎖腎の腎間質線維化に関与する細胞内シグナル伝達機序とその制御に関する研究
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09671601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福崎 篤 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (70133957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 貞文 東北大学, 医学部, 助手 (40292213)
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Keywords | 尿路閉鎖 / 閉塞性腎症 / 腎線維化 |
Research Abstract |
尿路閉塞腎の不可逆的な進行には、アンジオテンシンII依存の腎間質の線維化が深く関与していると考えられるが、その過程を明らかにし、閉塞性腎障害の進展を抑制する手段を見出すことを目的として、ラット尿管閉塞モデルを用いて、腎組織中のサイトカイン発現と腎間質線維化との関係ならびにアンジオテンシンIIの活用抑制効果について検討を行った。さらに、腎間質の線維化を抑制するプラスミン系の活性についても検討を行った。その結果、閉塞腎では、腎組織中のTNF-α、MCP-1などのサイトカインやケモカインの発現に増加がみられ、これらが、腎間質への炎症性細胞の遊走因子として作用し、腎間質の線維化をきたしていることが強く示唆された。またこの反応はアンジオテンシンIIの活性を抑制することによりある程度抑制された。さらに、閉塞腎ではプラスミン系の活性を抑制するプラスミノゲンアクチベータインヒビラ-1(PAI-1)の発現が増加していることが明らかとなり、こらが腎間質の線維化をより強固なものとして、腎障害の不可逆性の進展に関与しているものと思われ、さらに検討を行っているところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kaneko H, Fukuzaki A, et al: "mRNA expressior for chemokines in the rat kidney during unilateral obstruction" J.Am.Soc.Nephrol.7・(9). 1705 (1996)
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[Publications] 折笠精一, 福崎篤: "萎縮性腎盂腎炎" 日本臨床. 別冊・(16). 229-234 (1997)
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[Publications] 折笠精一, 福崎篤: "閉塞性腎盂腎炎" 日本臨床. 別冊・(16). 272-274 (1997)
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[Publications] 折笠精一, 福崎篤: "閉塞性腎症" 日本臨床. 別冊・(17). 688-690 (1997)
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[Publications] Fukuzaki,A, et al: "Role of protein kinase C in clsplatin nephro toxicity" Brit.J.Urol.80(suppl.2). 115 (1997)
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[Publications] 折笠精一, 福崎篤: "小児泌尿器科学書" 川村猛,小柳知彦編,金原出版、東京, 117-123 (1998)