1999 Fiscal Year Annual Research Report
5α-reductase阻害剤による前立腺発癌予防の至適条件に関する研究
Project/Area Number |
09671610
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本間 之夫 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40165626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 靖司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70178432)
高橋 悟 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 講師 (50197141)
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Keywords | 前立腺癌 / 5α-reductase / 発癌予防 / テストステロン |
Research Abstract |
実験動物であるACI/Seg ratを動物実験室で管理中である。実験室は22℃の温度と50%の湿度に保たれており、長期実験が可能な状況にある。また、試験薬剤としてはFK143という名称の5α-reductase阻害剤を藤沢薬品より提供を受けた。本剤の餌料中での安定性も確認した。 実験1:FK143の開始時期に関する検討 FK143を20ppm含有する餌料を用意した。この特殊餌料をラットの週齢が10,20,40,60週齢となった時から投与した。これらのラットを100週齢で屠殺したところ、いずれの群でもpFK143を投与しないラットに比べて有意に異型過形成の頻度が高かった。これは予想に反した結果であるので、組織中のアンドロゲン濃度の測定の結果を待って考察する予定である。 実験2:FK143の投与濃度に関する検討 実験1の結果に基づいて、投与開始時期を60週齢とし、20ppmと200ppmの2用量で実験を開始した。 実験3:ラットの前立腺の遺伝子異常に関する検討 ラットの前立腺癌に特異性の高いmicrosateliteを同定する試みを行っている。まずラットの前立腺癌として既に有している組織を用いて、その正常組織との違いをいくつかのmicrosateliteについて検索したが、明らかに差のあるものは発見できていない。ラットではマウスほどmicrosateliteについての情報がないので、更に時間をかけた検討が必要である。 以上いずれの実験も着実に進行中である。
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