1998 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌細胞の増殖および腫瘍血管の新生における一酸化窒素の役割
Project/Area Number |
09671615
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齋藤 和英 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (20262438)
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Keywords | 腎細胞癌 / 一酸化窒素合成酵素 / RT-PCR / 免疫組織学 / altemative splicing / 増殖能 |
Research Abstract |
腎細胞癌における一酸化窒素の役割について検討するため以下の実験を行った。 一酸化窒素はガス上の伝達物質であり、極めて短時間に代謝されるため、これ自体を捉えることは困難であるので、一酸化窒素合成(NOS)活性を指標とすることとした。 1. まず免疫組織学的に腎癌組織を検討すると、何例かの腎癌組織においてiNOS陽性細胞の存在が認められた。現在症例を蓄積し、臨床的病期、病理組織学的分類との相関について検討をすすめている。 2. 次に腎癌培養細胞株を用いて免疫組織学的に検討すると、いくつかの細胞株でiNOS陽性細胞が認められた。本研究を推進中の平成10年にiNOSにはalternative splicingによりvariant formが存在し、活性が異なるという結果が米国の研究者により報告されたので、腎癌においてもその両者の鑑別が必要と考えられた。そこで iNOS陽性細胞株よりmRNAを抽出し、reverse transcriptaseを用いてcDNAを合成した。native typeとvariantの両者を増幅することのできるprimerを複数組設定し、PCRで増幅、検討中である。陽性コントロールとしてはサイトカイン、LPSで刺激したヒト末梢血由来のマクロファージ、単球由来のmRNAから作成したcDNAを用いた。 3. 2.の結果を踏まえて、iNOSの発現、variant formと腎癌細胞の増殖活性の関連について平成11年度に検討し、1のデータとあわせて学会、学術雑誌への発表を行う予定である。
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