1999 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌細胞の増殖および腫瘍血管の新生における一酸化窒素の役割
Project/Area Number |
09671615
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
齋藤 和英 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (20262438)
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Keywords | 腎細胞癌 / 一酸化窒素 / NOSII / 転移 / 腫瘍塞栓 |
Research Abstract |
【目的、方法】 腎細胞癌の増殖、進展におけるNOSIIの役割を明らかにするため,臨床検体での免疫組織染色及び培養細胞株でのRT-PCR法による検討を行った。臨床検体は新潟大学及び関連施設にて腎細胞癌のため腎摘除術を施行された50症例で、標本よりクリオスタットにて5μmの切片を作製後、抗NOSII抗体による免疫組織染色、浸潤リンパ球サブセットの検討及びTUNEL法によるアポトーシス細胞の検出を行った。また腎癌細胞株ACHN,A498,KRCY,KM39,A704,Lak2の6株よりmRNAを抽出しRT-PCR法にてNOSIIの発現を検討した。 【結果、考察】 免疫組織学的検討では原発巣48例中6例(12.5%)で、転移巣及び腫瘍塞栓4例中3例(75%)でNOSIIの発現が認められ、有意差を認めた。特に腫瘍塞栓2例中2例で強発現を認めた。しかしながら、NOSIIの発現と予後、その他臨床背景、アポトーシス細胞及び浸潤リンパ球サブセットとの間に関連を見出すことはできなかった。また上記いずれの細胞株においてもRT-PCR法にてNOSIIの発現は認められなかった。以上の結果より腎細胞癌はNOSIIの発現により転移進展能、特に脈管侵襲能を獲得する可能性が示唆され、腎静脈あるいは下大静脈における腫瘍塞栓の形成に寄与するものと考えられた。
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