1998 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌細胞株における同種細胞間接着機能と細胞周期制御との関連の分析
Project/Area Number |
09671616
|
Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片桐 明善 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (50251814)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 善彦 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (90237123)
|
Keywords | 腎癌 / カドヘリン / β-カテニン |
Research Abstract |
正常腎組織、腎癌標本25例、腎癌細胞株7種について各種カドヘリン(CD)及びカテニンの発現状況と機能/細胞形態との関連について検討した。腎細胞株は接着機能と関連すると考えられる生育形態により緊密増殖型(2種)と粗増殖型(5種)に分けて検討した。E-CDは緊密増殖型1種で強く発現されており、粗増殖型では発現が現弱していた。またCD-6は粗増殖型の2種で現弱〜欠損しており、接着機能との関連が示唆された。N-CDについては粗増殖型1種のみで強発現であり強い機能はないと考えられた。各カテニン(α,β;γは未施行)のmRNAはいずれの細胞株でも検出された。β-カテニンについては蛋白発現量の増強が粗増殖型に3種みとめられた。β-カテニンの変異の有無についてPCR-SSCPにて検討したが、それらに明らかな変異は認められず、また腎癌標本25例にも同様の検討では変異はなかった。従って腎癌においては大腸癌などとは異なってβ-カテニン遺伝子の変異は稀と考えれた。またβ-カテニン蛋白の増加は転写レベル以降と考えられ、GSK-3燐酸化との関連などの可能性も考えられた。また陰性対照として用いたカドヘリン機能のない白血病株にβ-カテニン蛋白の軽度発現が認められたことはβ-カテニンの接着以外の機能を示唆すると考えられた。
|