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1997 Fiscal Year Annual Research Report

脊髄損傷後の過活動膀胱の発生機序の解明:膀胱求心性神経の可塑性と神経成長因子の関与

Research Project

Project/Area Number 09671621
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

井川 靖彦  信州大学, 医学部, 助教授 (40159588)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 関 聡  信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (60293502)
水沢 弘哉  信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (50293535)
石塚 修  信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (20184541)
Keywords脊髄損傷 / 膀胱機能 / 平滑筋 / 神経成長因子 / カプサイシン / 求心性神経 / 過活動膀胱
Research Abstract

本研究の目的は、脊髄損傷後の過活動膀胱の発生機序に脊髄損傷後の膀胱カプサイシン感受性求心性神経の可塑性と神経成長因子(NGF)がどのように関与するのかを解明することにある。
1)脊髄損傷後の膀胱機能の経時的変化 雌ラットを用いて、第8胸髄の高さで脊髄を完全切離して脊髄損傷を作成した。脊髄損傷作成後、経時的に、膀胱充満に伴う反射性膀胱収縮(RC)を無麻酔下での膀胱内圧測定法にて検討したところ、術後1週ではRCは誘発されなかったが、2週後には低振幅のRCが出現するようになり、その振幅はその後経時的に増大し、術後4週で最大となり、以降定常となった。この脊髄損傷ラットにおいて観察されるRCは、対照ラットと比較すると、RCを誘発する域値膀胱容量が有意に大きく、収縮持続時間が有意に長く、振幅が大きかった。以上の結果から、ラットにおいても、ヒトと同様に、脊髄損傷後、当初は排尿筋無反射となり、その後、徐々にRCが回復し、ついには膀胱過活動を示すことが確認できた。
2)脊髄内ニューロキニン(NK)受容体の関与 脊髄損傷作成後4週を経過したラットの脊髄クモ膜下腔内にNK受容体阻害薬を投与し、RCに対する効果を検討したところ、選択的NK1受容体阻害薬は用量依存的にRCを抑制したが、選択的NK2受容体阻害薬は効果を認めなかった。対照ラットにおいても、同様の結果で、2群間で各々の阻害薬の効果に有意差を認めなかった。以上の結果から、ラットの膀胱充満によって誘発されるRCには、脊髄内NK1受容体が促進性に働いており、その作用は脊髄損傷の回復期においても維持されることが示唆された。
今後は、脊髄損傷後の膀胱組織内NGFの径時的変化を検討するとともに、膀胱を支配する後根神経節細胞内のNGF受容体および各種知覚神経ペプチドの局在が脊髄損傷後どのように変化するのかを免疫組織化学的に検討する予定である。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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