1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671628
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Research Institution | Kobe University School of Medicine |
Principal Investigator |
後藤 章暢 神戸大学, 医学部, 助手 (70283885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 勲 神戸大学, 医学部, 助手 (10263378)
岡田 弘 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (00177057)
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Keywords | 前立腺癌 / 遺伝子治療 / プロモーター / アデノウイルス / PSA / ベクター / TK / ホルモン不応 |
Research Abstract |
前立腺癌遺伝子治療の臨床応用への基礎的検討として最終年度にあたる平成11年度は、最終的にこれまで検討してきた、Ad-PSA-TKの前立腺癌に対する抗腫瘍効果の作用機序および臓器特異性プロモーターを利用し前立腺癌に対する遺伝子治療の臨床応用を企画することである。 開発されたアデノウイルスベクターによって前立腺癌がアポトーシスにいたる過程を、生化学的検出法としてDNAラダー検出法にて細胞よりDNAを抽出し、これをアガロース電気泳動にて解析した。またそれとは別に、形態学的検出法としてin situ endlabeling法(Tunel法)にてterminal transferaseによりlabelingを行い、これらをDABで発色させて検討した。各種アデノウイルスベクターを用いて前立腺癌に対して治療実験をし、そのアポトーシスの程度をコントロールと比べると、有意差をもってアデノウイルスベクター群がアポトーシスをおこしていた。各種検出法にて確認できた。この結果、前立腺癌に対してアデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療は有用な方法と考え、臨床応用に向かったプロトコールの作製準備に入った。 これまで、ホルモン非感受性前立腺癌に対する有効な治療法は現時点では存在しなく、この遺伝子治療臨床応用への研究は、それに対する画期的な唯一の新しい治療法の開発につながると考えてきた。現在、各種の遺伝子治療のVectorが開発されつつあるが、臓器特異性のプロモーターを利用したVectorの開発は遅れている。臓器特異性のVectorはより効果的に対象臓器で作用することから、本研究のPSAを利用するVectorの開発は画期的な方法である。しかし、遺伝子治療は多くの問題点もあるが、現時点では次世代の治療法でもあり、本邦での前立腺癌患者の増加を考慮すれば、早急に、このような臨床応用に向かった研究が必要である。
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Research Products
(1 results)