1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
森本 鎮義 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20094683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 順正 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90073733)
萩野 恵三 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60291613)
森田 照男 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50291612)
小倉 秀章 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60264496)
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Keywords | 腎結石 / キャピラリー電気泳動 / 蓚酸 / クエン酸 / 過蓚酸尿症 / 家族発生 |
Research Abstract |
尿中結石関連因子の中で蓚酸およびクエン酸は、各々最も重要な結石形成促進因子と抑制因子のひとつであり、両陰イオンの定量および同時促進は、本研究において達成すべき第一段階である。キャピラリー電気泳動装置はウォーターズ社クォンタ4000Eを使用し、データーの処理は同社805データーステーションを用いた。 1)尿中蓚酸とクエン酸の独立した測定:泳動液は、蓚酸測定では1.0mM Anion-BT+100mM硼砂溶液、クエン酸測定では0.5mM Anion-BT+50mMリン酸2ナトリウム溶液を用いた。両陰イオンとも、その測定における変動係数および添加回収率は満足すべきものであった。また、シグマ社蓚酸測定キット(酵素法)とクエン酸リアーゼを用いたクエン酸測定による測定値との相関も良好であった。 2)尿中蓚酸とクエン酸同時測定:種々の測定条件を検討した結果、泳動液は0.5mM Anion-BT+25mMリン酸2ナトリウム溶液、14KV定電圧、尿検体は60mM塩酸で希釈するのが、両陰イオンの分離と測定感度を得るのに適していた。各ピークは、oxalate decarboxylase とcitrate lyase添加による消失と、各イオンの添加によって同定された。測定の再現性および添加回収率、イオンクロマトグラフィーによる蓚酸測定およびクエン酸リアーゼによるクエン酸測定値との相関についても満足すべき結果であった。 3)これまで結石患者からの24時間尿89検体について、尿中蓚酸およびクエン酸同時測定を行った。クエン酸測定値については、蓄尿法に問題ありその結果を省くが、尿中蓚酸測定値は28.3±11.8mg/day(mean±SD)となり、40mg/day以上の過蓚酸尿症は6例とみとめた。尿中蓚酸が65.2-72.6mg/dayと著明な高値を示した1例は、頻回の結石再発と同胞10名中4名が結石既往を有する家族発生であり、調べ得た他の同胞2名中1例でも過蓚酸尿症を認めた。
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