1997 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器癌におけるテロメラーゼ活性発現の臨床的意義に関する検討
Project/Area Number |
09671645
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤岡 知昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80173409)
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Keywords | テロメラーゼ活性 / 膀胱癌 / 尿剥離細胞 / TRAP Assay / 腎癌 / 前立腺癌 / テロメア長 / サザンブロツト法 |
Research Abstract |
私どもは、前研究として、既にヒト腎細胞癌組織と非癌(正常)組織のテロメラーゼ活性の発現を検討し、非癌部にはその活性が認められないものの、腎癌組織では高率に認められ、癌組織中にこの活性の発現の認められない症例の予後は良好な傾向を示した(Renal carcinoma:Recent progress and future direction,A comprehensive NCl-Suported Sympoaium,1996,Washington,DCにて、発表した)。平成9年度の研究として、膀胱癌患者および非癌泌尿器科疾患の患者において、各30例において、膀胱洗浄による細胞診を施行するとともに、その膀胱剥離内皮細胞を凍結保存するとともに、Teromeric repeat amplication protocol(TRAP)assayを用いてテロメラーゼ活性を測定し、癌患者の約60%の症例でその活性を認めている。細胞診の陽性率は約80%であった。この結果は、テロメラーゼ活性の測定は細胞診の補助手段となることを示し、テロメラーゼ活性測定による膀胱癌の集団検診の可能性を示された。今後、テロメラーゼsubunit発現についても検討の予定である。また、根治的摘出術を施行した腎癌、膀胱癌および前立腺癌症例の手術材料の癌部および非癌部(正常部)を凍結保存し検体を収集中である。これらの検体はTRAP assayによるテロメラーゼ活性に加え、さらに、サザンブロツト法を用いて、Terminal restriction fragment lengthとしてテロメア長の評価を予定している。
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