1998 Fiscal Year Annual Research Report
アンドロゲン不応症候群における臨床表現型の多様性を来す要因の分子生物学検討
Project/Area Number |
09671654
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
島 博基 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90104257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 優 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90248146)
宮本 賀 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80248145)
玉置 知子 (橋本 知子) 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10172868)
古山 順一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30068431)
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Keywords | アンドロゲンリセプター / アンドロゲン不応症 / 遺伝子 / 突然変異 |
Research Abstract |
アンドロゲン不応症候群(AIS:androgen insensitivity syndrome)における臨床表現型の多様性の原因となるAR遺伝子(the androgen receptor gene)領域の確定と転写後のsecond messageの同定が本研究の目的である.平成10年度はAR遺伝子上にpoint mutationを同定した精巣性女性化症やReifenstein症候群の外陰部由来の培養皮膚線維芽細胞におけるAR.遺伝子を用いて変異AR遺伝子のsteroid resposiveelementにおけるtransactivation活性をCOS7細胞系に遺伝子導入し検討した.その結果,変異遺伝子導入によるreporter geneの活性は正常のAR遺伝子と比較して有意に低下を認めた.さらに,2ケ所の疎水性アミノ酸の変異例(M807V.R840H)において,各々1ケ所の疎水性アミノ酸から疎水性アミノ酸への変異ではtransactivation活性は低下しなかったが、同時に2ケ所の疎水性アミノ酸への変異では低下した.そこで1ケ所のみを疎水性アミノ酸から親水性アミノ酸へ変異させ,transactivation活性を検討したところ活性は低下した.このことはAR蛋白における疎水性アミノ酸の存在がホルモンとAR蛋白結合に重要であることが示唆していると考えられた.さらに.AR遺伝子導入後にdifferential display法にて発現している遺伝子をすべて増幅し.AR-DHT複合体の転写,翻訳後のsecond messageを検討中である.またAR不応症候群の例においてAR遺伝子のTranscriptionが増強するcoactivator(ARA70,SRC-1,RAC3/ACTR)の活性化の観点からも検討している.
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[Publications] Shuyan Yeh,Hiroshi Miyamoto,Hiroki Shima,et al.: "From estrogen to androgen receptor.A new Pathway for sex hormones in prostate." Proc.Natl.Acad.Sci.USA.95.(10). 5527-5532 (1998)
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[Publications] 倉岡 哲郎,島 博基: "Reifenstein症候群(Partial androgen insensitivity syndrome)におけるアンドロゲンレセプター遺伝子のin vitro 発現系を用いた基礎的検討" 兵庫医科大学医学会雑誌. 22(3). 267-279 (1997)