1997 Fiscal Year Annual Research Report
AnnexinVによる細胞膜表面酸性リン脂質の定量
Project/Area Number |
09671660
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 道 秋田大学, 医学部, 助手 (80250885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
設楽 芳宏 秋田組合総合病院, 病院部長(研究職) (40187357)
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Keywords | annexin V / lipopolysaccharide / endotoxin / procoagulant activity / monocyte |
Research Abstract |
目的:単球はlipopolysaccharide(LPS)刺激などによって細胞表面にphosphatidylserine(PS)を中心とした酸性リン脂質が出現し、procoagulant activityを発現する。当教室が胎盤より精製した凝固抑制タンパク質annexin Vは特異的に酸性リン脂質と結合するため、これをプローブに細胞表面への酸性リン脂質の出現をflow cytometryを用いて検討した。 方法:annexin VにFITCisomerIを結合させ、FPLCによる陰イオン交換体(MonoQ)を用いて1:1結合したものだけを精製し、実験に用いた(annexin V-FITC)。ヒト末梢血より比重遠心法にて単核球を分離し、LPS1μg/mlで6時間刺激後1μg/mlのannexin V-FITCを添加し、FACScan flow cytometryを用いて分析した。また10%エタノールにて90分間刺激後1μg/mlのannexin V-FITCおよび1μg/mlのpropidium iodide(PI)を添加し、two color analysisを行った。 結果:6時間のLPS刺激により63.3%の単球表面にannexin V-FITCが結合し、有意な酸性リン脂質の出現を認めたが、viabilityは保たれていた。10%エタノール刺激では52.6%の単球に酸性リン脂質の出現を認めた。また単球全体の13.9%を占めるsubpopulationが出現し、その83.9%はPI陽性であった(細胞死に相当)。 結論:単球ではLPSやエタノール刺激により細胞表面にprocoagulant activityに相当する酸性リン脂質が出現した。またエタノール刺激により細胞死をきたし、その大部分の細胞に酸性リン脂質の出現をみた。LPSとエタノールによる酸性リン脂質の出現は異なった機序が想定された。本方法は個々の細胞のviabilityとprocoagulant activityの検討に有用である。
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Research Products
(1 results)