1998 Fiscal Year Annual Research Report
Annexin Vによる細胞膜表面酸性リン脂質の定量
Project/Area Number |
09671660
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 道 秋田大学, 医学部, 講師 (80250885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
設楽 芳宏 秋田組合総合病院, 病院部長(研究職) (40187357)
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Keywords | annexin V / lipopolysaccharide / endotoxin / proccagulant activity / monocyte |
Research Abstract |
当教室が胎盤より精製した凝固抑制タンパク質annexin Vは特異的に酸性リン脂質と結合する。lipopolysaccharide(LPS)刺激で、単球の細胞表面にはphosphatidylserine(PS)を中心とした酸性リン脂質が出現し、procoagulant activityを発現する。annexin Vをプローブとして、細胞表面への酸性リン脂質の出現をflow cytometryを用いて検討した。 その結果、単球ではLPSやエタノール刺激により細胞表面にprocoagulant activityに相当する酸性リン脂質が出現した。またエタノール刺激により細胞死を来たし、その大部分の細胞に酸性リン脂質の出現をみた。LPSとエタノールによる酸性リン脂質の出現は異なった機序が推定された。 ヒト培養子宮筋腫細胞に対するGnRHaの細胞増殖抑制作用とannexin Vの関連について検討した。 GnRHa添加後96時間の細胞数は、対照群に比べ有意に増殖が抑制された。細胞内annexin V濃度は、GnRHa添加後72時間で対照群に比べ有意に増加した。細胞内annexin V濃度は、PKC活性化剤であるTPA単独の添加により増加した。一方、GnRHa添加前にPKC阻害剤であるcalphostin Cで処理しておくと、細胞内annexin V濃度の増加は完全に抑制された。ヒト培養子宮筋腫細胞内において、GnRHaはPKCを介して細胞内のannexin Vを増加させることにより細胞増殖を抑制することが明らかとなった。
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