1999 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣明細胞腺癌の生物学的特性および治療法についての検討
Project/Area Number |
09671667
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤村 正樹 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80242501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 義寛 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (90191212)
日高 隆雄 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (70283083)
齋藤 滋 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30175351)
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Keywords | 明細胞腺癌 / 卵巣癌 / チロシンキナーゼ / サイトカイン |
Research Abstract |
昨年までの検討において、本腫瘍、卵巣明細胞腺癌の増殖はestrogenに依存していないことを、臨床検体の免疫染色によってestrogen receptorが検出されないこと、同腫瘍の細胞株に対するestorogen添加実験によりその増殖が促進されないことなどから見いだしてきたが、本年度の検討にて、最近同定された二つのestrogen receptor、ERαおよびβの内、増殖促進の主たる作用を担うとされるERαは臨床検体においても細胞株においても全く発現していないこと、ERβは臨床検体では約40%の症例で発現していること、しかしながら検討した細胞株においては全く発現していないことが、臨床検体に対する免疫組織染色、および細胞株に対する免疫組織染色およびRT-PCR法を用いたmRNAの検討にて判明した。また、昨年の検討にて本腫瘍の増殖がEGFR、c-erbB-2遺伝子産物などtyrosin kinase型膜受容体を介した各種サイトカインのsignalにより促進されていることを示してきたが、本年度はこれらのサイトカインが本腫瘍の遊走能、浸潤能いずれをも促進すること、EGFRのsignal伝達阻害薬がその増殖、遊走、浸潤いずれをも抑制することなどが判明し、本腫瘍の新たな治療法開発の具体的な端緒が得られた。
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