1997 Fiscal Year Annual Research Report
プロラクチン産生細胞の増殖調節におけるインスリン様成長因子1の関与
Project/Area Number |
09671669
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
端 晶彦 山梨医科大学, 医学部, 講師 (10208431)
|
Keywords | 下垂体前葉 / プロラクチン産生細胞 / ドーパミン / IGF-1 / 細胞増殖 / 細胞形 / プロモクリプチン |
Research Abstract |
研究成果 1 インスリン及びinsulin-like growth factor-1(IGF-1)のプロラクチン産生細胞に対する増殖促進作用の濃度依存性及び時間経過を調べた。インスリンは10ng/mlでは効果がなかったが、50ng/ml以上の濃度でプロラクチン産生細胞の増殖を促進した。この効果はインスリン濃度依存性に増加し、5000ng/mlの濃度によって約14倍の最大刺激効果が得られた。一方、IGF-1は1ng/ml以上の濃度でプロラクチン産生細胞の増殖を促進し、30ng/mlの濃度で約4倍の最大刺激効果が得られた。これらインスリン及びIGF-1の促進作用は、投与16時間後より現れ、以後漸増した。 2 IGF-1抗体を用いて、IGF-1のプロラクチン産生細胞増殖促進作用の特異性を検討した。10ng/ml IGF-1プロラクチン産生細胞増殖促進作用は、マウスモノクローナル抗IGF-1抗体(Upstate Biotechnology社製)30ng/mlの前処置によって阻止された。 3 インスリンあるいはIGF-1とドーパミアンゴニストである bromocriptine の相互作用を調べた。50ng/mlインスリンによる増殖促進も、また、5000ng/mlインスリンによる増殖促進も、1nM bromocriptineは約40%抑制した。また、1ng/ml及び30ng/mlのIGF-1の増殖促進作用は、両方ともbromocriptineによって同程度抑制された。また、本年度計画していたエストロゲンとの相互作用を調べる実験は本年度に行う予定である。
|
-
[Publications] J.Arita, A.Hashi et al.: "D_2 dopamine receptor-mediated inhibition of proliferation of rat lactotrophs in culture is accompanied by changes in cell shape" Neuroendocrinology (印刷中). (1998)
-
[Publications] 端 晶彦 他: "プロラクチン産生培養細胞の増殖および細胞形態に対するドーパミンの作用" 日本内分泌学会雑誌. 73・2. 177 (1997)
-
[Publications] 端 晶彦 他: "プロラクチン産生培養細胞の増殖および細胞形態に対するドーパミン・およびドーパミン作動薬の作用" 日本産科婦人科学会雑誌. 50. S299 (1998)