1998 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞膜電位依存性イオンチャンネルに及ぼすエストロゲンの影響に関する研究
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09671694
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 善仁 福岡大学, 医学部, 助手 (20260698)
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Keywords | エストロゲン / 破骨細胞 / イオンチャンネル / 電位固定法 |
Research Abstract |
臨床研究:先に我々は閉経前に両側卵巣摘出(卵摘)を受けた患者では、卵摘後1年の急性期の骨量減少は結合型エストロゲン,(conjugated equine estrogen:CEE)0.625mg/日のみの投与では回避出来ないことを報告した。そこでこの卵摘後急性期の骨塩量減少を結合型エストロゲンとipriflavoneの同時投与で抑制可能か否かを検討した。116例の卵摘後婦人を無作為に以下の4群に分類した。第1群:placebo投与群、30例;第2群:CEE(0.625mg/日)単独投与群、29例:第3群:ipriflavone(600mg/日)単独投与群、30例;第4群:CEE(0.625mg/日)およびipriflavone(600mg/日)併用群、27例。これら各群でDEXA法による腰椎骨塩量、骨代謝マーカーとして尿中ビリジノリン(urinarypyridinoline:Pyr)および血中インタクトオステオカルシン(intact osteocalcin:hOC)を投与開始前、開始後24週、48週に測定した。投与開始後48週目に第1〜3群では骨塩量は各々6.1%、3.9%、5.1%減少したが、第4群では骨塩量の減少率はわずか1.2%であった。pyrは第2、3、4群でそれぞれ49.5%、32.0%、41.5%減少していた一方hOCは第2群、第4群で各々45.2%、21.6%減少したが、第3群では40.5%増加していた。この骨代謝マーカーの変化ははCEEとipriflavoneに骨吸収抑制作用があり、かつ後者には骨形成促進作用もあることを示唆するものと考えられる。以上の結果からCEEとipriflavoneの併用両方は卵摘後の骨塩量減少の予防に有効と考えられた。 基礎研究:ラットの破骨細胞培養系は確立され、whole-cell clamp法で内向き電流はほとんど記録されず、ほとんどが外向きのK+電流であることが確認された。引き続きエストロゲンの効果に関する検討に移るところである。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M. Nozaki, K. Hashimoto, Y. Inoue et al.: "Treatment of bone loss in oophorectomized women with a combination oipriflayone and conjugated equine estrogen." International Journal of Gynecology and Obstetrics. 62. 69-75 (1998)