1997 Fiscal Year Annual Research Report
正常血圧妊婦と妊娠中毒症妊婦におけるカルシウム代謝の解析
Project/Area Number |
09671698
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
伊藤 昌春 愛媛大学, 医学部, 教授 (10136731)
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Keywords | pregnancy mduced hypertension / Doppler / adhesion molecule |
Research Abstract |
1.妊娠中毒症における子宮胎盤循環障害に関する検討:妊娠羊を用いて子宮塞栓実験を行い、妊娠中毒症の子宮胎盤循環障害モデルを作成した。超音波ドプラ血流速度波形の変化について検討した結果、子宮動脈PIの上昇とearly diastolic notchの出現が子宮血管抵抗の増大を的確にとらえることができることを基礎的実験により明らかにすることができた。 2.妊娠中毒症における接着分子発現に関する検討:妊娠中毒症における接着分子の役割について検討するために、中毒症患者血清による培養血管内皮細胞およびtrophoblastの接着分子発現について検討した。その結果、中毒症血清は血管内皮細胞におけるE-selectinおよびVCAM-1発現に促進的に働き、trophoblastに対してはVCAM-1に対して促進的に働いていることが明らかとなった。 3.妊娠中毒症におけるcytokeratin 19 fragmentの検討:妊娠中毒症におけるcytokeratin 19 fragmentの母体血清濃度の変化および胎盤における発現について検討した。その結果、妊娠中毒症では血清濃度の上昇を認めた。また、胎盤においては梗塞巣において強い発現を認めた。 4.今後の研究計画:(1)正常妊婦と妊娠中毒症妊婦の間に存在するカルシウム代謝の差異を解明するため、妊娠初期、中期、末期における骨代謝回転に関する各指標の変動と妊娠の転帰を比較検討する。(2)妊娠中期(妊娠17週-28週)におけるカルシウム調節因子を測定し妊娠中毒症発症予知因子としての臨床的有用性について検討する。(3)アンジオテンシンに対する昇圧反応性に及ぼす副甲状腺ホルモン(PTH)の作用を自然高血圧発症妊娠ラットとWister系妊娠ラットを用いて比較検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ochi,H.: "Evaluation of ateroplacental Circuration in pregnancy induced hypertension." Placenta. 18・8. 4-4 (1997)
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[Publications] Abe,E.: "Effect of sera from preeclamptic patients upan the appearance of adhesion molecules on cultured human trophoblastic and endothelial cells." Placenta. 18・8. 8-8 (1997)