1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671700
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
鮫島 浩 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (50274775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 紘 鹿児島大学, 農学部, 教授 (20041650)
金子 政時 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40264387)
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Keywords | マグネシウム / 胎仔循環 / カテコラミン / 脳神経保護作用 / マイクロスフェア |
Research Abstract |
ヤギ胎仔を用いた生理的慢性実験モデルを作成し、低酸素血症に対する胎仔循環系の反応と、その反応に対するマグネシウムの影響を検討した。 低酸素血症に陥ると胎仔は心拍数を低下させ同時に血圧を上昇させた。マグネシウム投与下では低酸素血症に対する胎仔反応が変化し、心拍数は減少せず、血圧も有意な変化を示さなかった。マグネシウムの投与により基準心拍数は低下し、一過性頻脈の頻度も減少し、心拍数細変動も減少した。しかし低酸素血症になるとマグネシウムの有無にかかわらず細変動は増加した。カテコラミンは低酸素血症に伴い有意に増加したが、マグネシウム投与下でも同様の反応を示した。 Colored microsphere法を用いて血流量を測定したところ低酸素血症で大脳皮質、脳幹、小脳、延髄、ならびに心筋への血流量が有意に増加した。マグネシウム投与により脳と心臓への血流量はさらに増加した。特に大脳皮質では低酸素血症単独に比しマグネシウム投与により血流量が有意に増加した。 そこでラットを用いて低酸素性虚血性脳障害とマグネシウムの関連を調査した。その結果、低酸素虚血を負荷する前にマグネシウムを投与すると脳神経細胞の障害が減少し、特に大脳皮質では有意差をもって脳保護作用が認められた。 以上の結果から、マグネシウムは低酸素血症時の胎児循環を変化させ、胎児の脳と心臓への血流量を増やし、大脳皮質の神経保護作用を有することが明らかとなった。また、この反応にはカテコラミンの放出量は関与していないと推測された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sameshima H.,Ikenoue T.,Kamitomo M.,Sakamoto H.: "Effects of magnesium sulfate on the fetal heart rate responses during acute hypoxemia in goats" J.Society for Gynecol.Invest.3. 235-240 (1996)
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[Publications] Sameshima H.,Ikenoue T.,Kamitomo M.,Sakamoto H.: "Effects of 4 hours magnesium sulfate infusion on fetal heart rate variability and reactivity in a goat model" Am.J.Perinatol.15. 535-538 (1998)
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[Publications] Sameshima H.,Ikenoue T.,Kamitomo M.,Sakamoto H.: "Pre-treatment with magnesium sulfate protects and post-treatment deteriorates hypoxic-ischemic brain injury in 7-day-old rats" Am.J.Obstet.Gynecol.(in press). (1999)