1998 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内ウイルス母児感染の防御機構としての胎盤繊毛細胞のアポトーシスに関する研究
Project/Area Number |
09671702
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤野 敏則 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90165407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 行博 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30038806)
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Keywords | 胎内感染 / 胎盤 / バリア機構 / アポトーシス / HTLV-I |
Research Abstract |
これまでの研究で、胎盤はHTLV-Iに感染するとアポトーシスをおこすことを示してきた。平成10年度は、胎盤絨毛細胞がHTLV-I感染リンパ球に対してアポトーシスを誘導する作用をもつか否かをみる実験を行った。 1. 妊娠末期の抗HTLV-I抗体陰性の妊婦より胎盤を採取し、酵素処理、Percoll比重遠心法によって胎盤絨毛単層細胞を得た。この胎盤絨毛単層細胞はトロホブラストの他に、マクロファージ、ファイブロブラスト、血管内皮細胞を含むものである。 2. 絨毛癌細胞cell lineであるBeWo細胞、fibroblast cell lineであるCCD 1059 SKの単層細胞を得た。 3. 得られた胎盤絨毛単層細胞、BeWo細胞の単層細胞、CCD 1059 SKの単層細胞を十分洗浄し、フラスコ付着細胞のみにした後に、HTLV-I感染リンパ球(MT-2細胞)をそれぞれの単層細胞に加え48時間培養し、浮遊細胞(MT-2細胞)を回収しスライドグラスに固定し、アポトーシスをTUNEL法で調べた。 結果 胎盤絨毛単層細胞と共培養したMT-2細胞では、BeWo細胞の単層細胞、CCD 1059 SKの単層細胞と共培養したものに比べ、明らかにアポトーシス陽性細胞が多かった。 以上のことより、胎盤絨毛細胞にはHTLV-I感染リンパ球(MT-2細胞)にアポトーシスを誘導する作用があることが示唆された。
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