1998 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌の発生に伴う糖鎖発現異常の機序とその生物学的機能の解明
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09671712
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Research Institution | Keio Univ., School of Medicine |
Principal Investigator |
塚崎 克己 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40118972)
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Keywords | 子宮体癌 / 糖鎖発現異常 / 糖転移酵素 / 糖鎖遺伝子 / 遺伝子導入 / 生物機能 |
Research Abstract |
1. β1-4GT高発現株の生物学的特性の解明に関する研究 (1) β1.4GT高発現体癌由来培養細胞株と親株における糖鎖発現の検討 作成された体癌由来培養細胞株のβ1-4GT高発現株と親株におけるI型糖鎖ならびにII型糖鎖の発現についてI型糖鎖ならびにII型糖鎖に対する抗体(I型糖鎖:Le^a,Le^b,Lc3Cer、II型糖鎖:Le^x,Le^y)を用いた薄層クロマトグラフィー免疫染色法を用いて解析した結果、β1-4GT高発現株はI型糖鎖であるLc3Cerの発現がmockに比べ低下し、逆にII型糖鎖であるLe^xの発現は亢進した。これらの成績より、β1-4GTmRNAの遺伝子導入により、糖鎖レベルでの発現に変化が起っていることが判明した。 (2) β1-4GT高発現体癌由来培養細胞株の細胞特性の検討 β1-4GT高発現体癌由来培養細胞株の細胞増殖能、接着能、浸潤能を測定し、mockと比較した。その結果、β1-4GT高発現株では、細胞倍加時間の短縮、細胞外基質への接着亢進、マトリゲルへの浸潤、亢進が見られた。一方、β1-4GTアンチセンスを導入したGT低発現株は逆にラミニンへの接着能が低下した。さらに、ヌードマウスを用いたin vivoの検討を行い、異種移植能を検討したところ、GT低発現株はmockに比べ異種移植能が低い傾向がみられた。 以上のことから、β1-4GTの発現が細胞増殖や細胞外基質への接着、浸潤能に関与することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kaneyuki Kubushiro,et al.: "Effect of gelonin immunoconjugate with monoclonal antibody MSN-1 to endometrial adenocarcinoma." Jpn.J.Cancer Res.89. 583-588 (1998)
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[Publications] Kaneyuki Kubushiro,et al.: "Glycoconijugates in endometrial cancer." Acuta Cytologica. 42. 587-588 (1998)