1998 Fiscal Year Annual Research Report
分娩前胎児脳神経障害の発生機序およびその予防に関する研究
Project/Area Number |
09671718
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
正岡 直樹 日本大学, 医学部, 講師 (50199668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永石 匡司 日本大学, 医学部, 助手 (70297810)
高木 健次郎 日本大学, 医学部, 講師 (00216623)
三宅 良明 日本大学, 医学部, 助教授 (20183634)
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Keywords | 胎児 / 脳神経障害 / 興奮性アミノ酸 / NMDAレセプター / NO / フリーラジカル |
Research Abstract |
羊胎仔慢性実験モデルを用いて、間歇的臍帯血流遮断により、胎仔脳組織中に大量のoxygen free radicalsの発生をみることを発表した。 本年度は、同一の実験系にて、遅発性神経細胞死への関与が推定されている興奮性アミノ酸およびNMDA receptorの誘導につき検討を加えた。 Brain microdialysisの手法を用い、間歇的臍帯血流遮断における胎仔脳白質透析液中のglutamate、asparate,glycine、GABAの濃度をHPLC法にて測定した(n=5)。また双胎例においては、一仔には間歇的臍胎血流遮断を実施し、他仔をコントロールとしてNMDA receptorの誘導をNMDAR-1抗体にて免疫染色標本を作成し観察した。 透析液中のglutamate濃度は血流遮断前25.81+2.71、血流遮断終了時34.46+1.12、血流遮断後1時間33.52+1.53(Mean+SEM.nmol/ml)と上昇傾向が認められた。一方、asparate、glycine、さらに細胞保護に与るとされるGABA濃度には有意な変動は認められなかった。今後さらにMordecaiらの提唱するExitotoxic index(glutamate×glycine/GABA)を含め検討する。 NMDA receptorについては間接法にては、標本中の皮質部においてのみ弱陽性に検出されるのみであり、現在高感度法にて、さらに検討中である。 来年度はさらに間歇的臍帯血流遮断時における胎仔脳組織中のNO発生も同時に検討し、oxygen free radicals産生、glutamateによるNMDA receptorの活性化、NO産生の3者の動態より、胎児脳神経障害の発生機序を考察したい。
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