1998 Fiscal Year Annual Research Report
ラット胎仔における脳内CRF及びCRFレセプターI型mRNAの発現とその調節
Project/Area Number |
09671719
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
明楽 重夫 日本医科大学, 医学部, 講師 (40231849)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今城 純子 日本医科大学, 医学部, 講師 (20223323)
|
Keywords | CRF / CRF レセプター I型 / ラット / 胎仔 |
Research Abstract |
本年度はウィスターラット胎仔におけるLipopolysaccharide(LPS)負荷ストレスに対する反応性を、末梢血中コルチコステロン(RIA法)および脳内CRF,CRFレセプター1型mRNA発現(in situ hybridization法)様式にて検討した。妊娠19日の母獣にLipopolysaccharide(LPS)を腹腔内投与(400μg/100g体重)し、その3時間後にラットを断頭し、帝王切開にて胎仔をとりだした。母獣および胎仔より躯幹血と脳を摘出した。母獣ではLPS負荷により血中コルチコステロン濃度および室傍核CRF、CRFレセプター1型mRNAの発現は有意に増加していた。一方胎仔では室傍核CRFmRNA発現は有意に増加していたが、血中コルチコステロン濃度および室傍核CRFレセプター1型mRNAの発現は対照群と比較し、変化を認めなかった。しかし胎仔においてはコルチコステロンの基礎分泌は成獣とほぼ同じレベルで認められた。以上より、胎齢19日ではLPSという感染ストレスモデルにおいて、CRFmRNA発現レベルは成獣同様の応答ができるが、CRF-ACTH-コルチコステロン系はいまだ未完成の状態であることが示唆された。今後はこの反応性を胎齢を追って細かく検討していく予定である。
|