1998 Fiscal Year Annual Research Report
CGH法によるヒト子宮体部癌の多段階発癌機構解析に基づく診断治療法の開発
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09671726
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
平井 康夫 癌研究会, 癌研究所細胞生物部, 研究員 (00260076)
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Keywords | 子宮体癌 / TGF β Rll / BAX / E2F / PTEN / 遺伝的不安定性 / CGH(comparative genomic hybridisation) / 発癌過程 |
Research Abstract |
子宮体部腫瘍性病変を臨床病理学的に再分類し、各発癌段階に特徴的な分子生物学的変異を同定することにより、子宮体部癌の発癌過程を解明することを目的とした。隣接する臨床部門と協力して、informed consentの得られた子宮体部腫瘍患者の手術材料より、腫瘍部及び正常部分の新鮮組織材料を採取した。組織材料は一旦凍結保存した後、DNA抽出及び病理組織学的検索に供した。本年度も詳細な臨床病理学的情報を入手して検討したところ以下の結果を得た。 1. DNAの修復機構の喪失と関連するreplication errorにもとづく遺伝的不安定性の有無を全例で解析した。遺伝的不安定性は、解析した子宮体癌症例の30%弱と高率にみられた。 2. 遺伝的不安定性に基づく発癌過程において、そのターゲットになっていることが予測される、TGF β Rll、BAX、E2F、PTENの各遺伝子について変異分析をした。遺伝的不安定性が認められる症例では、TGF β Rll、BAX、PTENの各々に高率な変異が同定された。 3. CGH(comparative genomic hybridisation)法により、全染色体上の遺伝子コピー数の増減の有無を検索した。TGF β Rll、BAX、PTENに変異の同定された症例では、それぞれの対応する染色体上の座位にコピー数の減少がみられる傾向があった。 4. 腫瘍部新鮮組織材料のエストロゲンリセプターおよびプロゲステロンリセプター活性の測定では、高分化型の子宮体癌に有意にエストロゲンリセプター活性が高いことが判明した。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 平井 康夫: "子宮頚部細胞診の意義" 病理と臨床. 16. 527-532 (1998)
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[Publications] 平井康夫、竹島信宏他: "子宮頚癌lb期のFlGO新分類(lB1、lB2)について‥各種予後の検討‥" 第36回子宮癌研究会 記録(福岡). (1998)
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[Publications] 平井 康夫(監修): "卵巣がん" 週刊 メディ・ファイル. (1998)
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[Publications] 平井 康夫: "性器のヒトパピローマウイルス感染とその子宮頚部悪性化への関与" 研究班1997年度報告集. 文部省重点がん 1997年度報告集. 23-26 (1998)
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[Publications] 弓立環、平井康夫他: "子宮頚癌の増殖・湿潤におけるマトリックス分解酵素" 日本婦人科腫瘍学会雑誌. 16. 172-177 (1998)
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[Publications] 蓮見勝彦、平井康夫他: "子宮体癌の組織発生" 産婦人科の実際. 47. 1237-1239 (1998)
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[Publications] 石谷敬之、平井康夫他: "混合癌を含む子宮体部明細胞腺癌の臨床細胞学的検討" 日本臨床細胞学会誌. 37. 1-5 (1998)
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[Publications] 竹島信宏、平井康夫他: "子宮頚癌la期(新規約)の臨床的取り扱いについて-新FlGOla期子宮頚部扁平上皮癌の取り扱いについて-" 産科と婦人科. 65. 1160-1165 (1998)
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[Publications] 梅澤聡、平井康夫他: "細胞診がきっかけとなった子宮頚部腺扁平上皮癌の1例" 日本臨床細胞学会誌. 37. 42-46 (1998)
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[Publications] 荒井祐司、平井康夫他: "子宮頚部腺癌-Adenoma malignum の細胞像について-" 日本臨床細胞学会誌. 38. 1-5 (1999)
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[Publications] 竹島信宏、平井康夫他: "子宮頚癌la期(新規約)の臨床的取り扱いについて-新FlGOla期子宮頚部扁平上皮癌の取り扱いについて-" 第37回子宮癌研究会記録(子宮癌研究会編). 38-43 (1999)
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[Publications] Y.hirai, N.Takeshima et al.: "A Clinicocytopathologic study of adenoma malignum of the uterine cervix" Gynecologic Oncology. 70. 219-223 (1998)
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[Publications] N.Takeshima, Y.Hirai et al.: "Prognositic validity of neoplastic cells with notable nuclear atypia in endometrial cancer" Obstetrics & Gynecology. 92. 119-123 (1998)
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[Publications] N.Takeshima, Y.Hirai et al.: "The value of squamous cell carcinoma antigen as a predictor of nodal metastasis in cervical cancer" Gynecologic Oncology. 68. 263-266 (1998)
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[Publications] H.Yoshikawa, Y.Hirai et al.: "Human papillomavirus infection and other risk factors for cervical intraepithelial neoplasia in Japan" British Journal of Cancer. in press. (1999)