1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671727
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
清水 敬生 癌研究會, 癌研究所, 研究員 (60260072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荷見 勝彦 癌研究會, 癌研究所, 部長 (70134608)
秋山 太 癌研究會, 癌研究所, 研究員 (50222550)
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Keywords | 卵巣癌 / 予後 / 分化度 / 化学療法 / 組織型 |
Research Abstract |
卵巣癌には、子宮体癌に於けるような分化度診断法が確立されていない。 卵巣癌の予後因子を推定可能な分化度診断法を確立することを目的としている。 平成9年度の実績より、新しい病理組織学的分化度診断法を考案した。 [I] Gradingの方法 組織型に無関係に、構造異型、核異盟、核分裂数の3項目を検討し、独立予後因子であることを確認し、以下の如く点数化した。 a) 構造異型:(占拠範囲>50%)1)1点:管状、2)2点:乳頭状、3)3点:充実性b) :核異型:核、核小体、クロマチンの性状で最も所見の強い部分を採用し、 1) 1点:軽度、2)2点:中等度、3)3点:強度に分類した。 c) 核分列数:腫瘍組織周辺の量も分裂の多い部分で、明確な核分裂のみ(metasphase,.anaphase,telophase)をcountの対象とした。1点:0-9/10HPF、2点:10-24/10HPF、3点:≧25/10HPF d) Final grading:3項目の各得点を合計したものを、以下の如く3段階に分類した。 3-5点:Grade1(高分化型)、6-7点:Grade2(中等度分化盟)。8-9点:Grade3(低分化型)[II] 新分化度診断法と予後との関連性 治療法(手術と化学療法)が一定の1980年から1994年までの卵巣癌461症例をI-II期、III-IV期の2群に層別化して検討した。有意差検定は多変量解析により施行。 a) I-II期(216例):新分化度は、予後因子として機能した。 b) III-IV期(245例):本分化度、化療への効果、初回残存腫瘍径、全身状態、明細胞、粘液性腺癌が予後因子として有用と判定された。 c) 化療の効果と本分化度の関連性:III-IV期の予後因子として化療の効果が有用であるため、関連性を調査した。分化度により初回化療の効果に有意差は認められなかった。低分化になるほど、 )化療の効果持続期間が短くなる、 )第2回目の化療への効果が有意に不良となる、即ち、獲得耐性の頻度が高いこと、が明らかになった。 ) )により、予後(生存期間)に有意差が生ずるものと考えられた。 今後、腫瘍の他の生物学的因子と本分化度の関連性を調査する予定である。
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[Publications] Y.Shimizu et al: "Toward the development of a universal grading system for ovarian epithelial carcinoma" Cancer. 82. 893-901 (1998)
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[Publications] Y.Shimizu et al: "Progrrostic signification of historatholigic features" Gynecologic Oncology. 70. 2-12 (1998)
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[Publications] Y.Shimizu et al: "Combination of conselecture low-dose cisplatin wab fleomycin, vincristine,and mitomysin for recurrent cervical cancer" J.Clin.Oncology. 16. 1869-1878 (1998)
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[Publications] Y.SHIMIZU et al: "A Phase II study of Combined CPT-11 and Mitomysin C in Platinum refractoy clear cell and mucinoma ovrian carcinoma" Han Acid Med Singapore. 16. 1869-1878 (1998)