1998 Fiscal Year Annual Research Report
音響刺激に対する前庭系ニューロンの反応に関する免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
09671734
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室伏 利久 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30242176)
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Keywords | 前庭 / 耳石器 / クリック / 前庭頚反射 / 球形のう |
Research Abstract |
動物実験に関しては、前年にひき続き実行した。本年は、short tone burstも刺激音として採用した。c-fosの発現に関しては、positiveな神経細胞が認められるものの、音刺激に反応した前庭神経核ニューロンと断定するには至っていない。その理由は、刺激側のみならず反対側にも陽性ともとれるものが存在するためである。従って、現時点では得られた結果の解釈が難しい。ヒトに関する研究においては様々な新しい知見が得られた。short tone burstにより頚筋に誘発される反応もクリック同様、前庭性反応であるということを明らかにした。この研究は、Barany学会で報告したが、また、米国のArchives of Otolaryngology Head&Neck Surgery誌に受理された。また、刺激頻度と反応波形の関係についても検討し、最適刺激頻度をあきらかにした。この研究は、Acta Otolaryngologica誌に受理された。メニエール病患者における頚筋電位の異常について研究中であり、いくつかの学会にて報告した。また、4月にメニエール病の国際シンポジウムにて発表する予定である。さらに、現在、グリセロール負荷の頚筋電位に及ぼす影響について研究中である。 音響刺激以外の刺激についても研究中である。一つには、前頭部を軽く叩打する振動刺激による頚筋電位についての研究を行った。この研究も、Barany学会で報告し、その内容は、Equilibrium Research誌にて発表された。また、現在、電気刺激の応用、すなわち、電気刺激による頚筋反応について研究中である。電気刺激と音響刺激の併用は、前庭系の障害部位の診断に有用である可能注がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Murofushi T,Matsuzaki M et al.: "Short tone burst-evoked myogenic potentials on the SCM" Archives of Otolarynsology Head and Neclc Surgery. (in press).
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[Publications] Wu CH,Murofushi T: "The effect of click repetition rate on vestibular evoked wyogeuic potentuls" Acta Otolaryngologica(Stockh). (in press).
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[Publications] Matsuzaki M,Murofushi T et al.: "Vestibular evoked myogenic potentials in asoustic neurome patieuts with hormal ABR" European Archives of Oto,hinolaryngology. (in press).
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[Publications] Murofushi T.Matsuzaki M et al: "Vestibular evoked myogenic potentials in patients with acoustic neuromas" Archives of Otolaryryology Head and Neclc Surgery. Vol.124. 509-512 (1998)
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[Publications] 室伏利久 松崎真樹他: "タッピング法による頚筋電位" Equilibrium Research. Vol.57. 335-340 (1998)
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[Publications] Murofushi T.Curthoys IS: "Physiological and anatomical study of click-sensitiveprimary vest-neurons" Acta Otolaryngologica (Stockh). Vol.117. 66-72 (1997)