1997 Fiscal Year Annual Research Report
血管条辺緑細胞の物質輸送におけるホルモン制御の研究
Project/Area Number |
09671750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
柿木 章伸 高知医科大学, 医学部・付属病院, 助手 (60243820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 泰三 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50115763)
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Keywords | 抗利尿ホルモン / 内リンパ水腫 / 血管条 / 中間細胞 |
Research Abstract |
メニエール病患者の内耳形態上の特徴として内リンパ水腫があげられる。また、メニエール病の患者の血性抗利尿ホルモン(ADH)が正常人に比べ高値を示す事も報告されている。実験的には、モルモットにADHを投与すると内リンパ水腫が作成できることが明らかにされており、メニエール病とADHに何らかの関連が存在していると考えられる。 今回われわれは、モルモットにADHを投与し内リンパ液産生に大きく関与している蝸牛内血管条の形態学的変化を観察した。ADHを投与されたモルモットは、正常モルモットに比べ血管条が肥厚していた。この形態学的変化の原因として、血管条内中間細胞の膨化が認められた。この中間細胞内には、粗面小胞体の膨化を示唆する所見が認められた。しかしながら、現時点では粗面小胞体の定量的な計測はできておらず、中間細胞の膨化が粗面小胞体によるものかについては今後の検討が必要である。今回の血管条の観察では、これまで内リンパ腋の産生やイオン組成の決定に関与していると考えられていた辺縁細胞には著名な変化は認められなかった。現在、上述の血管条における形態的変化が生理学的にいかなる意味を有するかについて、単離細胞を用いて検討するために中間細胞の単離化を行っている。しかし、現在のところ満足の行く結果を得られていない。したがって、今後更に問題点を改善し、単離中間細胞を用いた実験を行う予定である。
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