1997 Fiscal Year Annual Research Report
偏垂直軸回転検査(OVAR)を用いた耳石-半規管連関の解明およびその臨床応用
Project/Area Number |
09671768
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
肥塚 泉 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (10211228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 功 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90018375)
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Keywords | OVAR / 耳石 / 回転検査 / 眼球運動 |
Research Abstract |
本年度は主にOVAR検査装置一式の開発および健康成人ボランティアを対象とした基礎データの取得を行った。回転椅子を傾斜してOVARとするにあたり、椅子全体を被験者ごと傾斜することが可能な傾斜負荷装置が必要となる。油圧を用いて椅子全体を傾斜することができる傾斜負荷装置を開発した。既存の回転椅子をこの傾斜負荷装置に装着した。その結果、最大傾斜角度である30°まで、被験者を傾斜した状態で回転刺激を加えることが可能であった。被験者の安全性についても考慮し、椅子部分についてもバケットシートに変更し、またベルトも4点式のものに取り替えることにより万全を期した。 次に眼球運動の解析についてであるが、高速なCPUを搭載したパーソナルコンピュータおよびこれを記録しておく大容量メディアにより構成される眼球運動解析装置一式を用いて解析を試みた。回転刺激を加えることにより生じる眼振データーより急速相を除き,残った緩徐相同士をつなぎ合わせることによりcumulative eye position (CEP)を求めた。これをコンピューターにより微分しcumulative eye velocity(CEV)を求めた。このCEVより、等速度刺激でOVARを行った際はbias componentおよびmodulation componentを算出した。また振子様刺激でOVARを行った際は、利得を算出した。 健康成人ボランティアを対象として基礎データの取得を行った。そしてこの結果をもとに、1)刺激が適切に加えられているかどうか、2)解析が適切に行われているのかについて検討を加えた。その結果、等速度刺激でOVARを行った際に出現するbias componentおよびmodulation componentは、これまでの報告とほぼ同様の値を示した。また振子様刺激でOVARを行った際は眼振の解発が良好に認められ、この利得とmodulation componentとの間に相関関係を示す可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koizuka I,et al: "Plasticity of response to off verrical axis rotation" Acta Otolaryng (Stackh). 117. 321-324 (1997)
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[Publications] Koizuka I,et al: "Micro-muyneric resonance imaging of the inner ear in the guinea Pig" NMR in Biomedicine. 10. 31-34 (1997)
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[Publications] 肥塚 泉,他: "頭振後眼振を示した片側性ベル麻痺例" 耳鼻臨床. 91. 237-242 (1998)
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[Publications] Koiozuka I,et al: "Influence of otolith organs,semicircular canals,and neck afferents on past rotatory nystagmirs" J Vestib Res. 6. 319-329 (1996)
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[Publications] 肥塚 泉、他: "前庭-眼反射による空間見当識の解析" 宇宙航空環境医学. 33. 77-80 (1996)
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[Publications] Koizuka I,et al: "Time course of vestibular function in patients with Meniere's desease following vestibular nerve section" Acta Otolaryng (Stockh). Suppl 519. 234-237 (1995)