1998 Fiscal Year Annual Research Report
偏垂直軸回転検査(OVAR)を用いた耳石-半規管連関の解明およびその臨床応用
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09671768
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
肥塚 泉 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (10211228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 功 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90018375)
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Keywords | 耳石・眼反射 / 可塑性 / 速度蓄積機構 / 視覚・半規管入力混乱パラダイム / 半規管・眼反射 / OVAR |
Research Abstract |
本年度は耳石-眼反射における速度蓄積機構の特性を評価することを目的に、視覚-半規管入力混乱パラダイムを用いて生じた半規管-眼反射の可塑性が耳石-眼反射におよぼす影響について検討を加えた。対象は健康成人ボランティア12人を用いた。以下に示す(1)から(5)の順番に実験を行った。 1) 振子様回転刺激(周波数0.16Hz、最大角速度60°/sec)による半規管-眼反射の利得の測定。 2) 偏垂直軸回転刺激(0VAR:傾斜角度30°、60°/sec定速度刺激および傾斜角度20°、120°/sec定速度刺激)による耳石-眼反射の感度の測定。 3) 振子様回転刺激(周波数0.16Hz、最大角速度60°/sec)と同時に視運動刺激を以下の3条件で各々4人ずつの被験者に40分間加える。(視覚-半規管入力混乱パラダイム) a) 振子様回転刺激と同方向で2倍の速度(-1刺激) b) 振子様回転刺激と反対方向で同一の速度(x2刺激) c) 振子様回転刺激を加えず(対象群) 4) 振子様回転刺激による半規管-眼反射の利得の測定。 5) 偏垂直軸回転刺激による耳石-眼反射の感度の測定。 視覚-半規管入力混乱パラダイム(-1刺激)を行った4人中3人の被験者において半規管-眼反射の利得の低下が認められた。またこれら3人については同時に、耳石-眼反射の感度の低下を示した。視覚-半規管入力混乱パラダイム(x2刺激)を行った4人中2人の被験者において半規管-眼反射の利得の増大が認められた。またこれら2人については同時に、耳石-眼反射の感度の増大を示した。対象群では有意な利得および感度の変化は認められなかった。以上より半規管-眼反射と耳石-眼反射はその利得および感度を調整する上で共通の神経経路を共有している可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koizuka I,Hattori K,et al: "Objective tinnitus caused by an aberrant internal carotid artery" Auris Nasus Larynx. 25. 323-327 (1998)
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[Publications] 肥塚 泉、五十嵐 眞: "無重力と前庭関係の研究-ニューロラブ計画を中心として-" JOHNS. 14. 817-821 (1998)
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[Publications] 肥塚 泉、木村みすず、他: "頭振後眼振を示した片側性ベル麻痺例" 耳鼻咽喉科臨床. 91. 237-242 (1998)
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[Publications] Koizuka I,Seo Y,et al: "Micro-magnetic resonance imaging of the inner ear in the guinea pig" NMR in Biomedicine. 10. 31-34 (1997)
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[Publications] Koizuka I,Furman JM,et al: "Plasticity of response to off-vertical axis rotation" Acta Otolaryngologica(Stockholm). 117. 321-324 (1997)
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[Publications] 肥塚 泉、加藤 功、他: "前庭-眼反射による空間見当識の解析" 宇宙航空環境医学. 33. 77-80 (1997)