1997 Fiscal Year Annual Research Report
電流密度解析法による聴性頭頂部緩反応と聴性中間反応の起源に関する研究
Project/Area Number |
09671776
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
白石 君男 福岡大学, 医学部, 助手 (90187518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江浦 陽一 福岡大学, 医学部, 講師 (70193985)
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Keywords | 電流密度解析 / 聴性頭頂部緩反応 / 聴性中間反応 |
Research Abstract |
本研究では,聴性誘発反応のMLR,SVRの各成分において,誘発電位発生に伴う電流密度の頭皮上分布,すなわち刺激によって生じる脳内の電気活動に伴って形成される双極子(dipole)の電流の流入口(sink)と流出口(source)に着目し,これらの電流密度の頭皮上分布の状態から発生源を推測することにある。本年度は以下の項目について検討した。 1.処理プログラムの開発 記録された頭皮上電位波形からSource Derivation法による電流密度波形を計算処理するためのプログラムを,グラフィックプログラミングソフトのLabVIEWを用いて,購入したPower Macintosh 9600/300上で作成した。今後,16チャンネルの原脳波をA/D変換するプログラムと平均加算,その頭皮上分布および経時的なトポグラフィーを表示するプログラムを開発する予定である。 2.正常者における実験 右利きの聴力正常者10名を対象とし,右刺激と左刺激における頭皮上16カ所からの原脳波をデータレコーダーに磁気記録した。これらのデータは1のプログラムが開発された時点で処理される。 3.SQUIDによる聴性誘発反応の記録 当該研究課題の電流原密度解析は頭皮上に対して垂直方向の成分を鋭敏に反映するが,水平方向に向かう成分は理論的に抽出困難である。これに対して超伝導干渉素子(SQUID)による記録は,電流原密度解析とは逆に水平方向の成分を検出するが,垂直成分は記録困難である。このようにこれらの2つの手法は同一現象を異なった側面からの情報を得ることができる。当該研究を進めるにあたって岡崎国立共同研究機構生理学研究所にある72チャンネルSQUIDによって聴性誘発反応(SVRを記録した。その結果,周波数が低周波(250Hz)では頭皮に近い部位で,高周波(4kHz)では頭蓋内探部に双極子が検出された。
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